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死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第3章「死者を率いる者」
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第39話「夜の失踪」

夜。


北の街は静まり返っていた。


レオたちは、失踪事件が起きている東地区に身を潜めていた。


「本当に今夜も起きるかな」


カイが小声で尋ねる。


「分からない。でも、昨日まで毎晩起きてたなら可能性は高い」


レオは周囲を見回す。


ミナは少し離れた場所で魔力を探っている。


「……何か感じます」


「魔物?」


「いいえ。でも……死者の気配があります」


ガイアが目を閉じる。


『私にも感じる』


レオの表情が険しくなる。


「近い」


その瞬間。


カラン……。


路地の奥から、小さな金属音が聞こえた。


「……来た」


レオたちは音のした方向へ進む。


暗い路地。


そこに、一人の男が立っていた。


「……」


男は何かを探すように辺りを見回している。


カイが小声で言う。


「こいつが犯人か?」


「まだ分からない」


レオが答える。


男が路地の奥へ進む。


その先には、眠っている住民の家が並んでいた。


すると――


男の足元に黒い魔法陣が浮かび上がった。


「魔法陣……!」


ミナが息を呑む。


魔法陣から黒い霧が溢れ出す。


その霧が、一軒の家へ入り込んでいく。


「止める!」


レオが走り出す。


「《死縛》!」


黒い鎖が男へ伸びる。


しかし男は振り返り、腕を振った。


バンッ!


鎖が弾き飛ばされる。


「何だと!?」


男はレオを見る。


「……ネクロマンサー」


「お前が人を消してるのか!」


男は答えない。


代わりに魔法陣から黒い影が現れた。


「魔物……!」


カイが剣を抜く。


「俺がやる!」


カイが飛び出す。


影の爪を剣で受け止める。


ガキンッ!


「くっ……重い!」


ガイアも加勢する。


『下がれ!』


拳を叩き込む。


影が吹き飛ぶ。


ミナが杖を構える。


「《風刃》!」


風の刃が影を切り裂く。


だが、影はすぐに立ち上がった。


「また……!」


レオが額を見る。


そこには黒い紋章があった。


「紋章を壊せ!」


カイが踏み込む。


「分かった!」


剣が紋章を狙う。


しかし――


男がカイの前に立ちはだかった。


「邪魔はさせない」


「くそっ!」


レオが男へ鎖を放つ。


「《死縛》!」


今度は男の腕に鎖が絡みついた。


「なっ……!」


「捕まえた!」


レオが力を込める。


「何者だ!」


男は笑った。


「俺が何者か知る必要はない」


「なら、どうして人を攫う!」


男は答えなかった。


その瞬間、黒い魔法陣が強く輝く。


「まずい!」


ミナが叫ぶ。


魔法陣から大量の黒い霧が噴き出した。


男の姿が霧に包まれる。


「待て!」


レオが手を伸ばす。


しかし――


霧が消えた時、男の姿も消えていた。


「逃げられた……」


カイが悔しそうに剣を下ろす。


ガイアが周囲を見る。


『だが、あの魔物は残っている』


「そうだ!」


レオたちは魔物へ向き直る。


守護者が大剣を構える。


一撃。


魔物の黒い紋章が砕けた。


魔物はその場に崩れ落ちる。


レオは地面に残った魔法陣を見る。


「人を消してたんじゃない……」


ミナが続ける。


「別の場所へ移動させていた?」


「たぶん」


レオは拳を握る。


「だったら、消えた人たちはまだ生きてるかもしれない」


カイが頷く。


「探そう」


その時、レオの足元に小さな紙片が落ちていることに気づいた。


拾い上げる。


そこには一つの場所が書かれていた。


『旧地下墓地』


レオは紙を握る。


「ここに、何かある」


ガイアが静かに言う。


『ならば、次に向かう場所は決まったな』


レオは頷いた。


「旧地下墓地へ行こう」


――第39話・完――

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