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死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第3章「死者を率いる者」
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第34話「操られた魔物」

魔物の群れが一斉に襲いかかってくる。


「来るぞ!」


カイが剣を構えた。


レオは黒い鎖を放つ。


「《死縛》!」


数体の魔物を拘束する。


「今だ!」


カイとガイアが同時に飛び込んだ。


「はあっ!」


『おおっ!』


魔物を次々と倒していく。


しかし――


倒れた魔物が、ゆっくりと立ち上がった。


「……嘘だろ」


カイが目を見開く。


「まだ動くのか?」


魔物の額にある黒い紋章が輝いている。


レオは気づいた。


「やっぱり……あの紋章だ」


ミナが魔物を見つめる。


「待ってください」


「どうした?」


「魔物そのものじゃありません」


ミナは魔物の額を指差した。


「紋章が光っている時だけ、傷が治っています」


レオが目を凝らす。


「じゃあ、あの紋章を壊せば……」


『試してみる価値はある』


レオは鎖を伸ばした。


「《死縛》!」


魔物を拘束する。


「カイ!」


「任せろ!」


カイが走り出す。


「はあああっ!」


剣が魔物の額を狙う。


ガキンッ!


紋章が大きく砕けた。


魔物の身体から黒い魔力が噴き出す。


「グオオオッ!」


そして、魔物はその場に崩れ落ちた。


「……動かない」


カイが確認する。


『今度こそ倒れたな』


レオは息を吐く。


「紋章を壊せば、操られていた魔物を止められる」


ミナが頷く。


「でも、あの人はどうして魔物を操れるんでしょう?」


「分からない」


レオは森の奥を見る。


「だけど、あいつを追えば分かるかもしれない」


その時――


守護者が突然、森の奥を指差した。


「どうした?」


レオが見る。


木の根元に、小さな黒い石が落ちている。


レオが拾い上げる。


「これ……魔力が残ってる」


ガイアが近づく。


『先ほどの紋章と同じ気配だ』


カイが周囲を見回す。


「じゃあ、あの男が落としていったのか?」


「たぶん」


レオは石を握る。


すると――


頭の中に一瞬だけ映像が浮かんだ。


暗い部屋。


何体もの魔物。


そして、黒いローブの男。


『死者を率いる者が現れた』


「……!」


レオは思わず石を落とした。


「どうした?」


カイが駆け寄る。


「今……誰かの声が聞こえた」


「何て?」


レオは答えようとする。


しかし、言葉が出てこない。


その時、ガイアが石を見つめた。


『死者を率いる者……』


レオが顔を上げる。


「それが、俺のことなのか?」


ガイアはしばらく黙っていた。


『まだ分からない』


レオは石を拾い直す。


「だったら、確かめる」


北へ続く道を見る。


「この先に、答えがあるはずだ」


カイが頷く。


「行こう」


ミナも続く。


「はい」


守護者が最後に歩き出す。


四人は再び北へ向かった。


その頃。


森のさらに奥では、先ほどの男が立っていた。


「もう気づいたか」


男は小さく笑う。


「だが……まだ早い」


その手には、レオが拾ったものと同じ黒い石が握られていた。


「死者を率いる力が、どこまで成長するのか」


男は北の方角を見る。


「楽しみだな」


――第34話・完――

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