第30話「ミナの力」
街へ到着したレオたちは、まず宿を探すことにした。
「今日はもう休もう」
レオが言うと、カイが頷く。
「賛成。さすがに疲れた」
ミナも小さく頷いた。
「私も……」
その時、街の外から大きな音が響いた。
ドォン!
「何だ!?」
人々が一斉に騒ぎ始める。
「魔物だ!」
「街の外に魔物が出たぞ!」
レオたちはすぐに門へ向かった。
外には、三体の魔物がいた。
その額には、黒い紋章。
「またあいつらか……」
カイが剣を抜く。
「俺が行く!」
「待って!」
レオが止める。
「三体いる。みんなで戦おう」
『その方がいい』
ガイアが拳を構える。
守護者も大剣を抜いた。
ミナは少し離れた場所に立っている。
「ミナは下がってて!」
「……分かりました」
レオたちが魔物へ向かう。
ガイアが一体を引きつけ、カイが別の一体へ斬りかかる。
守護者は最後の一体と対峙した。
「よし!」
レオも魔力を集中させる。
しかし――
一体の魔物がカイを吹き飛ばした。
「カイ!」
「ぐっ……!」
魔物がカイへ襲いかかる。
「まずい!」
レオが鎖を放つ。
だが、間に合わない。
その瞬間。
「――《風刃》!」
ミナの手から風の刃が飛んだ。
ザシュッ!
魔物の足が切り裂かれる。
「なっ……!」
レオが振り返る。
「ミナ!?」
ミナは両手を前に出していた。
「私も……戦えます」
風が彼女の周囲を渦巻く。
「すごい……」
カイも驚いている。
「魔法使いだったのか?」
「はい」
ミナは魔物を見る。
「村にいた頃、魔法を教えてもらっていました」
魔物が立ち上がる。
「来ます!」
ミナが手を振る。
「《風壁》!」
強い風の壁が生まれ、魔物の突進を弾き返す。
「今だ、カイ!」
「おう!」
カイが一気に踏み込む。
剣が魔物の身体を斬り裂いた。
「あと一体!」
ガイアが魔物を押さえ込む。
『レオ!』
「分かってる!」
レオが黒い鎖を放つ。
魔物の動きを止める。
そこへ守護者の大剣が振り下ろされた。
ドォン!
最後の魔物が倒れる。
静かになった街道。
「……終わった」
レオが息を吐く。
カイがミナを見る。
「すごいな」
「ありがとうございます」
「俺たちを助けてくれた」
ミナは少し照れながら笑った。
「仲間ですから」
その言葉に、レオも笑う。
「そうだな」
ガイアが頷く。
『これで正式に仲間の一員だな』
ミナは嬉しそうに頷いた。
しかし、レオは倒れた魔物を見る。
額の黒い紋章は、また消えていた。
「……この紋章のこと、もっと調べないと」
ミナも真剣な表情になる。
「私も協力します」
「うん」
新たな仲間を加えたレオたちは、街へ戻っていった。
だがその夜。
街の外れでは、一人の男がレオたちの戦いを見ていた。
「ネクロマンサー……」
男の手には、あの黒い紋章が刻まれている。
「仲間まで増えたか」
男は静かに笑った。
「予定を変える必要があるな」
闇の中へ、その姿が消えていった。
――第30話・完――




