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死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第2章「死者と生者の旅立ち」
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第28話「新たな街へ」

町を出て数時間。


レオたちは街道を進んでいた。


「この道をまっすぐ行けば、夕方には着くはずだ」


カイが地図を確認する。


「思ったより遠いな」


レオが肩に掛けた荷物を持ち直す。


『旅とはそういうものだ』


ガイアが笑う。


「ガイアは疲れないからいいよな」


『死者だからな』


「またそれ言ってる」


カイが笑った。


その時だった。


「……助けて!」


森の中から声が聞こえた。


レオが足を止める。


「今の、女の子の声?」


『ああ。近い』


「行こう!」


レオたちは声のした方へ走った。


木々を抜けた先。


そこには、一人の少女が倒れていた。


そして、その前には巨大な魔物が立っている。


「グオオオッ!」


魔物の額には――


あの黒い紋章。


「また……!」


レオが構える。


少女が怯えた顔で振り返る。


「た、助けて……!」


「大丈夫! 俺たちが助ける!」


魔物が少女へ飛びかかる。


「させるか!」


カイが剣を抜き、魔物の前へ飛び込む。


ガキンッ!


爪を剣で受け止める。


「ぐっ……!」


「カイ!」


『私も行く!』


ガイアが魔物の横から拳を叩き込む。


魔物がよろめく。


「今だ!」


守護者が一気に踏み込み、大剣を振り下ろす。


ザンッ!


魔物の肩から血が飛び散った。


「効いてる!」


しかし、魔物の額の紋章が輝く。


「またあの力か!」


魔物の傷が黒い魔力に包まれる。


カイが後退する。


「こいつ、傷が塞がっていくぞ!」


レオは魔物を見つめる。


「だったら……紋章を狙う!」


右手を前へ伸ばす。


「《死縛》!」


黒い鎖が地面から伸び、魔物の四肢を拘束する。


「今だ、カイ!」


「任せろ!」


カイが走る。


魔物が鎖を引き千切ろうとする。


「逃がすか!」


ガイアが正面から拳を叩き込む。


魔物が怯んだ。


その隙にカイが跳ぶ。


「はあああっ!」


剣が額の紋章を斬り裂いた。


バキッ!


黒い光が弾ける。


「グオオオオッ!」


魔物の身体から力が抜け、その場に倒れた。


静寂が戻る。


「……終わった?」


カイが息を切らしながら尋ねる。


『ああ。もう動かない』


レオは魔物の額を見る。


紋章は完全に消えていた。


「やっぱり……この紋章が魔物を変えてる」


少女がゆっくり立ち上がった。


「ありがとうございます……」


「怪我はない?」


「はい……大丈夫です」


レオは少女を見る。


「君、一人でこんな森にいたの?」


少女は少し迷ってから答えた。


「街へ向かっていたんです。でも、途中で魔物に襲われて……」


「街って、この先の?」


「はい」


カイが剣を収める。


「なら、俺たちと一緒に行こう」


少女が驚く。


「いいんですか?」


「一人より安全だろ」


レオも頷く。


「一緒に行こう」


「……ありがとうございます」


少女は小さく笑った。


レオたちは再び街道を歩き始めた。


しかしレオは、少女の腰に下げられた小さな袋に気づいた。


そこから――


遺跡で見たものと同じ紋章が、一瞬だけ覗いていた。


「……え?」


レオが立ち止まる。


「どうしたの?」


少女が振り返る。


レオは袋を見る。


だが、もう紋章は見えなかった。


「いや……何でもない」


レオは歩き出す。


――第28話・完――

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