第26話「新たな仲間の実力」
街の外へ出たレオたちは、魔物が現れたという場所へ急いでいた。
「近いな」
カイが剣に手をかける。
「気配がする」
レオも周囲を見回す。
「どこだ?」
その瞬間、茂みが大きく揺れた。
「来る!」
巨大な魔物が飛び出してきた。
「グオオオッ!」
「こいつか……!」
魔物の額には、あの黒い紋章が浮かんでいる。
レオは構える。
「カイ、無理はするな」
「大丈夫だ」
カイが一歩前へ出る。
「こいつは俺がやる」
「一人で?」
「実力を見せるって言っただろ」
カイが剣を抜く。
魔物が突進してきた。
「はあっ!」
カイも走り出す。
魔物の爪を横へかわし、そのまま剣を振る。
ザンッ!
魔物の腕に傷が入った。
「やるな……!」
レオが驚く。
だが、魔物はすぐに振り返る。
「速い!」
カイが剣で受け止める。
ガキンッ!
「ぐっ……!」
力で押される。
「カイ!」
「まだだ!」
カイは踏ん張り、魔物の攻撃を弾いた。
そのまま低い姿勢で懐へ入り込む。
「そこだ!」
剣が魔物の腹部を斬り裂く。
魔物が後退する。
「……やった!」
レオが声を上げる。
しかし――
魔物の額の黒い紋章が輝いた。
「何だ?」
傷口から黒い魔力が噴き出す。
カイの表情が変わる。
「こいつ……まだ力を隠してたのか」
魔物が再び突進する。
「カイ!」
レオが黒い鎖を放つ。
「止まれ!」
鎖が魔物の脚に絡みつく。
動きが一瞬止まった。
「今だ!」
カイが踏み込む。
「はあああっ!」
渾身の一撃。
魔物の身体が大きく吹き飛んだ。
地面を転がり、動かなくなる。
「……終わった?」
カイが息を整える。
ガイアが魔物を確認する。
『もう動かない』
カイは剣を収めた。
「……助かった」
「俺が動きを止めただけだよ」
「それでも助かった」
カイは笑う。
「一人で倒すつもりだったけど、まだまだだな」
レオも笑った。
「でも、すごかった」
「本当か?」
「ああ。俺なんて最初は魔物を見るだけで逃げてたから」
「じゃあ、お互いこれから強くなればいい」
その時、守護者が倒れた魔物へ近づいた。
『……』
「どうした?」
守護者は魔物の額を指差す。
黒い紋章が、ゆっくり消えていく。
その下に、別の小さな傷跡が現れた。
「何だ、これ?」
ガイアが答える。
『魔力を流し込まれた痕跡だ』
レオは拳を握る。
「やっぱり誰かが魔物を変えてる」
カイも真剣な表情になる。
「だったら、俺が探してる魔物も……」
レオが振り返る。
「同じ奴らが関わってるかもしれない」
カイはしばらく黙っていた。
そして剣を握り直す。
「……だったら、俺も協力する」
「うん」
レオは頷いた。
「一緒に調べよう」
二人は並んで街へ戻る。
その後ろを、ガイアと守護者が歩いていく。
まだ小さな仲間の輪。
だが、その輪は少しずつ大きくなり始めていた。
――第26話・完――




