↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第2章「死者と生者の旅立ち」
PR
22/175

第22話「遺跡の魔獣」

遺跡の奥から、低い唸り声が響いていた。


「……来る」


レオが身構える。


ガイアも拳を構え、黒い鎧のスケルトンは大剣を握った。


次の瞬間――


ドンッ!


壁を突き破り、巨大な魔獣が姿を現した。


「うわっ……!」


四本の脚。


鋭い爪。


そして額には、黒い紋章が浮かんでいる。


『あの紋章……』


ガイアが魔獣を睨む。


「森の魔物と同じだ」


レオは息を呑む。


「やっぱり、この遺跡も関係してる」


魔獣が咆哮する。


「グオオオオッ!」


「来る!」


魔獣が一気に飛びかかってきた。


ガイアが前へ出る。


『レオ、下がれ!』


ガキンッ!


爪と拳がぶつかる。


しかし、ガイアの身体が押し込まれていく。


「ガイア!」


レオは右手を掲げた。


「力を送る!」


黒い魔力がガイアへ流れ込む。


ガイアが踏ん張る。


『今だ!』


ガイアが魔獣を押し返す。


そこへ黒い鎧のスケルトンが走り込んだ。


大剣が振り下ろされる。


ザンッ!


魔獣の肩を斬り裂いた。


「効いてる!」


だが、魔獣は怯まない。


尻尾を振り回す。


「危ない!」


レオが黒い鎖を放つ。


鎖が魔獣の身体に絡みつく。


「止まれ!」


しかし、魔獣の力が強すぎる。


「くっ……!」


鎖が一本、また一本と切れていく。


「ガイア!」


『分かった!』


ガイアが魔獣へ突っ込む。


拳を何度も叩き込む。


魔獣の動きが一瞬止まった。


その隙に黒い鎧のスケルトンが大剣を構える。


「今だ!」


大剣が振り抜かれる。


魔獣の身体に深い傷が走った。


「グオオオッ!」


魔獣が大きく後退する。


レオは息を整える。


「まだ倒れてない……」


魔獣の額にある黒い紋章が輝き始める。


「何だ……?」


次の瞬間、魔獣の身体から黒い魔力が噴き出した。


『レオ!』


「分かってる!」


魔獣が突進する。


レオは逃げない。


「二人とも!」


ガイアと黒い鎧のスケルトンが左右から飛び出す。


魔獣の動きを挟み込む。


「今だ!」


ガイアが正面から拳を叩き込む。


同時に、黒い鎧のスケルトンが大剣を振り下ろした。


ドォン!


二つの攻撃が重なり、魔獣が地面へ倒れ込む。


静寂が戻った。


「……倒した?」


魔獣は動かない。


レオはゆっくり近づく。


「終わったみたいだ」


ガイアが魔獣を見る。


『あの黒い紋章は、森の魔物と同じだった』


「誰かが魔物を変えてる……」


レオは魔獣の額に残った紋章を見る。


すると、黒い光が小さく弾けた。


パキンッ。


紋章が消える。


その瞬間、遺跡の奥にあった石碑が光り始めた。


「まただ……」


石碑に新しい文字が浮かび上がる。


『門は、すでに動き始めている』


レオは言葉を失った。


「門が……動き始めてる?」


ガイアが石碑を見つめる。


『急ぐ必要があるかもしれない』


レオは頷いた。


「この遺跡で分かったことを、全部持ち帰ろう」


黒い鎧のスケルトンが静かにレオの後ろへ立つ。


レオは振り返った。


「……そういえば、お前の名前がないと呼びにくいな」


スケルトンは黙っている。


「名前……」


レオは少し考えた。


まだ何も思いつかない。


「それは、帰ってから考えよう」


ガイアが小さく頷く。


『それがいい』


三人は遺跡の出口へ向かって歩き始めた。


しかし――


遺跡のさらに深い場所。


誰もいない暗闇の中で、黒い紋章が一瞬だけ輝いていた。


――第22話・完――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。