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死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第1章「禁忌の目覚め」
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第2話「異変」

レオは墓地を後にし、急いで村へ戻っていた。


何度も後ろを振り返る。


「……あのスケルトン、ついてきてないよな?」


さっきまで自分の前に跪いていたスケルトン。


あれが何だったのか、レオには何一つ分からない。


ただ、右手に浮かんだ黒い紋章だけが、妙に気になっていた。


村へ戻ると、いつものように人々が畑仕事をしていた。


「レオ、おかえり!」


「ただいま」


「薪は集まった?」


「うん。これくらいあれば大丈夫だと思う」


何事もなかったように家へ向かう。


自分だけがおかしな世界に入り込んでしまったような感覚だった。


家に入ると、母親が振り返る。


「おかえり。随分早かったわね」


「うん。今日はすぐ集まったから」


レオは籠を置いた。


その時、母親の視線がレオの右手に止まった。


「……レオ」


「ん?」


「その手……どうしたの?」


レオは右手を見る。


黒い紋章が、まだ消えていない。


「これ?」


「どこで、それを?」


母親の声が明らかに変わった。


「森で……変な墓地を見つけてさ。そこで墓に触ったら、急に出てきたんだ」


「墓地……?」


母親の顔から血の気が引いていく。


「母さん?」


「その墓地で……何を見たの?」


「スケルトンが出てきた」


その言葉を聞いた瞬間、母親が立ち上がった。


「……やっぱり」


「何が?」


母親はしばらく黙っていた。


そして、震える声で言う。


「レオ。その力を……誰にも見せてはいけない」


「どうして?」


「いいから。村の人にも、絶対に話さないで」


「母さん、何を知ってるんだ?」


母親は答えない。


レオが問い詰めようとした、その時だった。


外から村人たちの声が聞こえてきた。


「大変だ!」


「森に誰か倒れてるぞ!」


レオと母親は顔を見合わせる。


「……行ってくる」


「待って、レオ!」


母親が止める。


しかし、レオはすでに外へ飛び出していた。


村の入口には、数人の村人が集まっている。


その中心には――


一人の男が倒れていた。


服はボロボロで、身体には傷がある。


「この人、森から来たのか?」


「分からない。突然倒れていたんだ」


レオが近づいた瞬間。


「……っ」


右手の黒い紋章が、わずかに光った。


そして――


聞こえた。


『……逃げろ』


レオの表情が凍る。


「……え?」


『あいつらが……来る』


男は意識を失ったまま、かすかに口を動かしていた。


「何から逃げろっていうんだ……?」


レオが森を見る。


木々の向こうには、何も見えない。


それでも――


レオには、何かが近づいているような気がした。


そして家の中では、母親が一人、震えながら呟いていた。


「……まさか、また始まるの……?」


――第2話・完――

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