表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死界のネクロマンサー  作者: のんびり小僧
第2章「死者と生者の旅立ち」
PR
19/42

第19話「傷と決意」

夜が明けた。


街道で一夜を過ごしたレオたちは、再び隣町へ向かって歩き始めていた。


「腕、大丈夫か?」


ダリオが心配そうに尋ねる。


「大丈夫です。浅い傷だから」


「そうか……」


レオは包帯を巻いた腕を見る。


昨日の戦い。


相手は魔物ではなかった。


人間だった。


「……ガイア」


『何だ?』


「俺、昨日……人を傷つけた」


『ああ』


「怖かった」


レオは歩きながら俯く。


「魔物なら倒せる。でも、人間を相手にするのは……」


ガイアはしばらく黙っていた。


『レオ。力を持つことと、その力に支配されることは違う』


「……」


『お前は昨日、誰かを殺すために力を使ったのか?』


「違う。ダリオさんを守るためだった」


『ならば、それを忘れるな』


レオはゆっくり顔を上げた。


「……守るため」


『ああ』


レオは右手を見る。


黒い紋章は静かに消えていった。


「分かった」


その時、前方に町の門が見えてきた。


「着いたぞ」


ダリオが笑う。


「ここが隣町だ」


門をくぐると、人々が行き交っている。


レオは周囲を見回した。


「大きいな……」


「まずはギルドへ行こう。依頼の報告をしないとな」


「はい」


冒険者ギルドへ向かい、護衛依頼の完了を報告する。


受付の女性が頭を下げた。


「無事に到着されたようで安心しました」


「途中で襲撃がありました」


「襲撃……?」


レオは昨日の出来事を説明する。


すると受付の女性の表情が変わった。


「同じような襲撃事件が、この町の周辺でも起きています」


「え?」


「商人の荷物ではなく、特定の物を狙っているようなんです」


レオの頭に、あの紋章が浮かぶ。


「……何を狙ってるんですか?」


「そこまでは分かっていません」


受付の女性は首を横に振る。


「ですが、最近になって被害が増えています」


レオは黙り込む。


また同じ事件。


森の異常。


謎の紋章。


そして襲撃者。


「全部……繋がってるのかな」


『可能性はある』


その時、ギルドの掲示板に一枚の依頼書が貼られた。


「近郊の遺跡調査」


レオはその依頼書を見つめる。


「……遺跡?」


依頼書には、古い遺跡の場所が記されていた。


その場所は――


森で見つけた黒い石があった場所と、同じ方向だった。


「ガイア」


『ああ』


「行ってみよう」


レオは依頼書を手に取る。


自分の父親。


ネクロマンサー。


死界。


そして謎の紋章。


まだ何も分からない。


だからこそ――


「俺は、自分で確かめたい」


レオの目に、迷いはなかった。


――第19話・完――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ