第17話「次なる依頼」
翌朝。
レオとガイアは、再び冒険者ギルドを訪れていた。
「昨日の森の件、何か分かった?」
受付の女性は首を横に振る。
「申し訳ありません。まだ調査中です」
「そっか……」
レオが残念そうにすると、受付の女性が一枚の依頼書を差し出した。
「その代わり、こちらの依頼はいかがですか?」
「護衛依頼?」
「はい。街から隣町まで、商人の方を護衛していただきます」
レオは依頼書を見る。
「俺でもできるかな?」
「先日の魔物討伐を考えれば問題ないと思います」
ガイアが頷く。
『旅を続けるためにも、受けてみるといい』
「じゃあ、お願いします」
その日の昼。
街の門の前で、レオたちは護衛する商人を待っていた。
やがて、馬車が一台やってくる。
「待たせたな!」
馬車から降りてきたのは、中年の男性だった。
「俺は商人のダリオだ。よろしく頼む」
「レオです。こっちはガイア」
ダリオはガイアを見て、一瞬固まる。
「……スケルトン?」
「俺の仲間です」
「そ、そうか……」
少し戸惑いながらも、ダリオは頷いた。
「まあ、依頼を守ってくれるなら構わん」
こうして一行は街道を進み始めた。
しばらくは何事もなかった。
「意外と平和だな」
「護衛って、もっと大変かと思ってた」
ダリオが笑う。
「この辺りは比較的安全だからな」
その時。
ガイアが突然足を止めた。
『……待て』
「どうした?」
『前方に何かいる』
ダリオの表情が変わる。
「まさか……」
街道の先から、数匹の魔物が姿を現した。
「魔物だ!」
ダリオが叫ぶ。
レオはすぐにガイアへ命じる。
「ガイア、頼む!」
『ああ!』
ガイアが飛び出す。
魔物の一体がガイアへ襲いかかる。
ガキンッ!
爪を受け止め、そのまま拳を叩き込む。
「すごい……」
レオも右手を掲げる。
「俺も!」
黒い魔力がガイアへ流れ込む。
ガイアの動きがさらに速くなる。
次々と魔物を倒していく。
しかし――
「まだいる!」
森から新たな魔物が飛び出してくる。
レオは周囲を見回した。
「数が多すぎる……!」
一体が馬車へ向かって走る。
「馬車を狙ってる!」
レオは右手を伸ばす。
「止まれ!」
黒い鎖が地面から伸び、魔物の足に絡みついた。
「今だ!」
ガイアが一気に距離を詰める。
魔物を倒した。
「……やった」
レオが息を吐く。
ダリオが驚いた顔でレオを見る。
「お前……本当にネクロマンサーなのか?」
「……そうみたいです」
「そうみたいって……」
ダリオは苦笑する。
その時、ガイアが街道の先を見つめた。
『まだ終わっていない』
「え?」
『魔物ではない。人間の気配がある』
レオも目を凝らす。
遠くの木陰。
そこに一瞬だけ、人影が見えた。
「誰だ?」
レオが声を上げる。
しかし、人影はすぐに消えた。
レオは森を見つめる。
「……誰か、俺たちを見てる」
ガイアが静かに答える。
『昨日の男と同じ気配ではない』
「じゃあ、別の誰か……?」
護衛依頼はまだ始まったばかり。
だがレオたちは、知らないうちに何者かの視線にさらされていた。
――第17話・完――




