第15話「森の異変」
巨大な魔物を倒したレオとガイア。
二人は魔物の身体に残された黒い模様を調べていた。
「やっぱり普通の傷じゃない」
『ああ。魔力が染み込んでいる』
レオが周囲を見回す。
「じゃあ、この森のどこかに原因があるはずだ」
『探してみよう』
二人は森の奥へ進んだ。
しばらく歩くと、木々の間に黒く変色した地面が見えてきた。
「……何だ、これ」
地面には円形の跡が残っている。
その中心には、黒い石が置かれていた。
レオが近づく。
「これが魔物を変化させたのか?」
『触るな』
ガイアが止める。
「え?」
『強い魔力を感じる』
レオは手を引っ込めた。
すると――
黒い石から、かすかな声が聞こえた。
『……死……』
「今、何か聞こえた?」
『私には聞こえない』
「じゃあ、俺にだけ?」
レオが石を見つめる。
その瞬間、黒い石が突然砕けた。
パキンッ。
「……!」
破片の中から黒い煙が立ち上る。
ガイアがレオの前に立った。
『下がれ!』
煙はゆっくりと空へ消えていった。
「何だったんだ……」
レオが地面を見る。
そこには、小さな金属片が落ちていた。
「これ……」
拾い上げると、表面には見覚えのない紋章が刻まれている。
「教会の紋章じゃない」
『私も知らない』
「じゃあ、一体誰が……」
その時、森の奥から足音が聞こえた。
「誰かいる!」
レオとガイアが振り向く。
木々の間から、一人の男が姿を現した。
「……そこにいたか」
「誰だ?」
男は答えず、地面に落ちた金属片を見る。
「それを持っているのか」
レオは警戒する。
「これを知ってるの?」
「知っている」
男の手が腰の武器へ伸びる。
「なら、渡してもらおう」
「嫌だ」
レオが金属片を握る。
「これは、この森で何が起きてるのか調べるために必要なんだ」
男が笑う。
「……面白い奴だ」
次の瞬間、男が姿を消した。
「えっ?」
背後から殺気。
ガイアが反応する。
『レオ!』
ガキンッ!
ガイアが攻撃を受け止める。
男は素早く距離を取った。
「スケルトンを使うだけじゃないのか」
「何者なんだ……」
男は答えない。
ただレオを見つめる。
「その力……やはり本物か」
そして、男は森の奥へ姿を消した。
「待て!」
レオが追おうとする。
『追うな』
ガイアが止めた。
『今は情報が足りない』
「……分かった」
レオは男が消えた方向を見る。
手の中には、謎の金属片。
そして森に残された黒い魔力。
今回の異変は、誰かが意図的に起こしたものだった。
「街に戻ろう」
『ああ』
二人は森を後にする。
――第15話・完――




