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街に戻り、ギルドで査定を受ける。
「奥の部屋へどうぞ」
ギルドのカウンター端から入ることが許される。一定以上の高額査定などのときに呼ばれるやつだ。ギルド側上部ではっきりと記録を取るので、下手なタカリに襲われたりはしない。(襲われた場合はギルドが報復する。同業者組合ゆえに)
「おう、俺がここのギルドマスターだ」
ドワーフの老人が白ひげをなびかせながら部屋に入ってくる。
「ここに呼ばれた理由は分かるか?」
「高額査定品があったからだと思うんですが、それ以外も?」
「まあギルドマスターが出張れば察するか。そのとおり、ちと特殊なもんがあってな」
「なんでしょうか」
「アーティファクトだ、等級は低いがな。ただ貴族家の個人資産であることがはっきりしている。嗜好品だ」
「喋る指輪かなにかですか」
「そんなのホントにあるの?!」
「高等な魔道具ではあるけどね。等級が低いって言うのは喋るだけだからですかね」
「ああ。お前らが回収した保存箱の主、船の船長の遺言が吹き込まれた指輪だ。ちょいとした日誌にもなってる」
「アーティファクトそのものより情報価値のほうが高そうですね」
「まあな。滅びた貴族家ならその権利ってやつはお前さんと指輪の交渉次第なんだが、現役の家なんで子孫なりの家族に権利がある。で、だ。指輪の意思側の意向とお前さんの腕ならってえことで、貴族家に指輪を届けて貰いたい。ギルドからのクエストだ」
「分かりました」
ラッキーだ、文字通り拾い物のクエストとは。俺は即受けた。




