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 「こんにちは」

 『貴殿が私をすくい上げた者か。感謝を』


 声が頭の中に響く。指輪には念話モードがあるためだ。


 「凄い、本当に喋れるんだ!」


 『少年、いまの彼は話し始めだから声に出したが、実際には声はいらぬ』

 『俺の今の声も音じゃなく聞こえるはずだよ、ロビン』

 『わ!?』


 ロビンが口元を手で抑えながら驚く。


 『指輪はね、仕事としては貴族の内緒話に使われてたりするんだ。記録係とかも兼ねるけど。だから声に出さないで話せるし、指輪ごとに念話の波が違うからどこの誰のものかもすぐ分かる』


 『詳しいな仮の主よ。どこかのご落胤か?』

 『貴族の方と移民するときに話を聞きまして』


 ウソではない。実際はゲームのフレーバー情報だが。「貴族が使う場合は舞踏会などで内密な話がと呼びかけたりするのに使う」なんて記載があるのだ。プレイヤーはAIつき無音通話機として買ったりNPC貴族から貰ったりして、パーティ単位の連携で使うが。


 『そう言う訳で、指輪殿と話す時は口を動かさないことを心がけて。絡まれる原因になるから』


 単純に高額なうえに戦闘に使える貴重なアイテムだから、変なのが湧きかねないんだよね。


 『はーい。でも、じゃあなんでお兄さんは指輪さんをはめてるの?』

 『指輪殿の意向でね。何十年も箱の中にいたから、帰宅の旅の間だけでも慣らして置きたいそうだよ』

 『大丈夫なの?俺たち』

 『安全上の問題はあるね。だから、指輪殿が表に出ると決めた時にギルドの中堅メンバーをギルド持ちで追加してくれたよ』

 『じゃあ、その人と後で会うの?』

 『ああ。これから行くよ』


 というわけで、護衛とまでは行かないが増強戦力が加わることになった。

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