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美少女アイドルは100匹の猫かぶり!  作者: 朱音小夏


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第9話

翌日、僕が事務所に行くと、めろでぃあとNOIRの全メンバー(ジュナを除く)が揃っていた。

そして、皆は僕を視界にとらえると、にんまりと生温かい笑みを送って来た。

......なんだろう、嫌な予感がする。


「おはよう、王子!いよいよ今日はジュナとデュエット曲の収録の日ね!」

「う、うん」

「HIKARI、昨日は悪かったよ」

「......カイ、さん?」


まさかあのカイから謝罪を受けるとは。

しかし、その後の言葉で僕は固まらざるを得なかった。

それは――


「ここにいる全員で、ジュナの恋路を応援することにした!!」

「......は、ハァ?!」

「めろでぃあに聞いたけど、HIKARIはいわゆる"おとこの娘"と言うヤツなんだろう?」

「......HANAさん?」


僕は思わずリーダーのHANAに異議を唱える視線を送った。

すると、HANAは「てへっ」とお茶目さを出してきた。

......くそう。可愛い。


「やっぱり、皆で応援するからには情報共有が大事だからね!」

「それにしても、ホント女にしか見えねぇな」

「......最近の"おとこの娘"は質が良いな......」

「......カイさん、レイさん」

「あ!安心しろ!トップシークレットなんだろ?秘密は守る主義だからな!」


......何故だろう。安心できない。

僕が絶望の淵に立たされていると、ジュナが姿を現した。


「おはよう。皆今日は早くない?」

「ジュナ!!オレ達皆お前の恋路を応援することにしたから!!」

「大船に乗ったつもりでいるといいわ!」


あ、ジュナにも言っちゃうのね。

陰ながら応援するんじゃなくて、堂々と応援するのね。


「......てなわけで、ジュナ!王子を落とすなら美味しいスイーツよ!あの子甘いものに目がないんだから!」

「それもいいけど形に残るものもいいわね!可愛いぬいぐるみとか喜びそう!」

「チッチッチ!分かってねぇな。甘すぎるぜお前達。男なら正面から勝負だろ!!」


......なんていうか、もう。


「本人の前で作戦会議するな!!」

「......光希は甘いものが好き、と」

「メモを取るなぁーー!!」


......頭が痛い。

全員が好き勝手なことを言い合っていると、美咲ちゃんが事務所にやって来た。


「......あら?貴方達、レッスンスタジオに行かなくていいの?」

「「「「「「作戦会議です!!」」」」」」

「?そう。HIKARIとジュナはこれからレコーディングだから準備して?」

「「はい」」


......美咲ちゃんにまで変なことを吹き込まないでくれよ......

?美咲ちゃんが入って来てからジュナの様子がおかしい。

さっきまで皆に混ざってわちゃわちゃしていたというのに、急に黙り込んでいる......


「......ジュナさん?」

「?!あぁ。ごめんごめん。行こうかみつ......HIKARI」

「?はい」


この時の僕はまだ知らなかった。

ジュナが美咲ちゃんに釘を刺されていたと言う事に。


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