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美少女アイドルは100匹の猫かぶり!  作者: 朱音小夏


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第7話

「おはようございます」

「おはよう、HIKARI」

「......ジュナさん今日は早いですね」


......何故だろう。

ジュナの奴、いつにも無くにこやかだ。


「HIKARI、今日のレッスンが終ったあと話したいことがあるんだ。付き合ってくれるかな?」

「......今では?」

「ダメかなぁ」


何故だろう、とっても嫌な気しかしない。

だが、断る方がもっと不利になりそうな気がしたので......


「......分かりました。少しだけ、ですからね?」

「!ありがとう!!それじゃあ今日もよろしくね!!」


そう言ったジュナは、レッスンでは絶好調であった。

それは別メニューをこなしている他のメンバー達も注目するくらい。


「......ジュナさん、今日絶好調みたいですね?」

「そうかな?HIKARIとのデュエットだからね。力が入るに決まってるじゃないか」


......僕はなるべく今日のレッスンが終らないのを祈っていたが、神様とは無慈悲。

あっという間の一日だった。


「あれ?王子、帰らないの?」

「う、うん。ちょっと自主練しておこうと思って......」

「やーん!流石王子!頑張り屋さんね!」


皆を見送ると、レッスン室に残っていたジュナの元へと行った。


「......ジュナさん」

「二人きりだね......【光希】」

「......なんて?」


今、聞き間違えでなければ、とんでもない事が起きた気がする。


「......いつから?」

「違和感は感じていたけど、確信したのは今朝。事務所の育成所の履歴書を見て」

「......最悪」

「ごめん」

「何が?」


僕は思わず聞き返す。

すると、ジュナは僕の手を握って来た。


「あの時、『アイドルになれない』なんて言って」

「......今更謝られても困るだけ」

「オレはもうお前に認められなくてももうトップアイドルだ」


もうコイツの前でとりつく必要なんてない。

猫なんてかぶる必要はない。


「知ってる」

「......だったら」

「だからこそ、今度はオレが近くで応援したい」


ジュナはそう言うと、オレの手を口元に持っていくと、口づけを贈って来た。


「それに――」

「?」

「オレはもうHIKARIのファンじゃない」

「......」

「光希のことが好きなんだ!」


......今、ジュナは何と言った?

好き?オレが?


「だから、これからは全力で口説くよ」

「......ちょっと待てよ。オレ男!分かってんだろ?!」

「それでも!」

「それにオレはお前が嫌いだ!!」

「知ってる」


それじゃあ何で口説こうとしているんだ、この男は?!

ま、まさか......


「ど、ドМ?」

「それは断じて違うと言わせて」


そんな事を言われても......

正直に言おう。

言って、諦めさせるんだ。


「......どんなに謝れたとしても、オレはお前に言われたことを許すことは出来ない」

「うん」

「......だから、その......」

「いいよ。今は嫌いでも、絶対振り向かせてみせるから」


そう言うとジュナはオレの身体を抱きしめてきた。

......嫌いなはずなのに、何故だか嫌ではない自分がいるのが、オレは怖かった。


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