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美少女アイドルは100匹の猫かぶり!  作者: 朱音小夏


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43/44

第43話

 ***


 今日はLOVERSとして、初めてのテレビ出演だ。しかも生放送。

 ――それ以前に、世間を賑わかせた報道以来にカメラの前に立つ。


「いやー、それにしても......世間公認カップルなんて素敵ですね! 何か変わったことはありますか?」

「そうですね......。周りを気にしなくなったのと、あと今度同棲するんですよ!!」

「ば、バカ!! そんなの言わなくていい!!」

「同棲ですか!! もうラブラブですね!!」


 僕が止めるのもお構いなしに、樹はどんどん喋ってしまう。

 ......誰かこのバカを止めてくれ......

 明るく話す樹とは対極的に、僕の顔はどんどん赤くなっていく。


「そう言えば、ネットで話題に上がっていましたが......」


 ――来た。絶対来ると思っていた。


「お二人のお名前、"いつき"と"みつき"で一文字違いですよね! わざとそのように?」

「いえ。本名なんですよ。だからたまたまで」


 おい、なにそんなに嬉しそうに話すんだ。

 ネットで散々弄られただろう?

 ......まぁ、そのネットも嬉しそうに眺めていたっけ。


「さぁ、それではLOVERSのデビュー曲を披露していただきましょう! それではお聞きください。『Midnight Lovers』」


 そうして僕らはステージでデビュー曲を歌い始める。

 大人な雰囲気でアイドルの曲らしくはない。

 でも、これからの僕らにピッタリな曲。

 ――プロの歌手だが、どうしても最後の歌詞が恥ずかしい。


「「――愛してる」」


 そうして曲は締めくくられる。

 顔が赤くなるのを必死に堪えて樹と見つめ合う。

 割れんばかりの拍手が会場を包み込んだ。


「ありがとうございました!! ......? 何か様子がおかしいですね?」


 ? 樹はステージの真ん中からどこうとしない。

 それどころか、見つめ合ったまま跪いた。


「天城 光希さん。同棲を受け入れてくれたことをまずは感謝します」

「は、はい......」


 なんなんだ? 一体何を考えているんだ?

 テレビ局のスタッフさん達も何事かと、カメラを寄せてきている。


「天城 光希さん。......僕と結婚してくれませんか?」

「え......」


 マイクのスイッチは入ったまま。

 会場にもこの愛の言葉は響き渡っている。

  会場中がいきなりのプロポーズを静かに見守っている。

 司会者のお姉さんも何も言わない。

 共演者もだ。


「これから、光希の一番のそばで光希の笑顔を守りたい。どうかこれを受け取ってはもらえませんか?」


 樹はそういうとポケットから指輪を取り出した。


「な、なんで......こんなところで......」

「......絶対に逃がしたくなかったから。......それで返事は?」


 指輪を差し出す樹の手が震えている。

 きっと僕には分からない緊張があるのだろう。

 僕は樹の手を両手で包み込み飛び切りの笑顔で答えた。


「末永くよろしくお願いします。――余所見なんかさせない。オレだけを見続けさせてやるから、覚悟しておけよ」


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