第40話
「光希、お姉さんにオレのこと紹介してよ」
「......理由を述べてください」
「それはもちろん、"未来の義弟"になるからでしょう!!」
「却下!!」
樹はとんでもないことを言ってのける。
......何が"未来の義弟"だ。
気が早すぎるだろう。
いや、気が長ければいいってわけではないのだが!!
「それに、お姉さんにお礼言わなきゃでしょう?」
「それは......そうだけど」
今回の騒動の終幕を彩ったのは、姉さんの記事だ。
......でも、だからといって会わせるのは気が早いのでは......?
「気が早いってことはないでしょう。むしろ、まだかまだかと首を長くして待っているわよ?」
「......美咲ちゃん、まさか」
「えぇ! 貴方達のことは報告済みよ? だって私の"親友"ですからね!」
美咲ちゃんには強く出れない。
まさかもう既に樹との関係を根回ししていたとは......。
「ちょーっと!! オレらのこと忘れてません?!」
「王子のお姉さんって何?! 私達知らない!!」
「カイさん......HANA......」
すっかり置いてけぼりにしてしまった。
申し訳ない。
けれど、姉さんのことは僕も知らなかったのだ。
許してもらいたい。
「王子のお姉さん......きっと可愛いんでしょうね♡」
「......と、思うでしょう?本人は否定するけれど、綺麗系の美女よ」
美咲ちゃんはそう言うと、スマホを僕らに見せてきた。
そこに写っていたのは、笑顔で振り向いている美女もとい、姉さんであった。
......いつの間に? 僕ですら最近会っていないのに。
その写真を見て、皆唖然とした。
それもそうだ。
僕とは系統が全く違うのだから。
「HIKARIの面影はある? けど......姉弟かといわれると疑問を持つな」
「お父さんも中性的なのよねー。それで、お母さんは可愛い系♡」
「な、なるほど......?」
「......父さんもよく女性に間違われてナンパされてたらしい」
「......遺伝って怖いな」
何故か僕の家族の話で盛り上がってしまっている。
......どうしてこうなった。
樹はと言うと、姉さんの写真と僕を交互に見て顔を赤くしている。
「......ちょっと。もしかして姉さんに気移りしたとかいうの?」
「ハァ?! そんなわけないだろう!! オレは光希一筋なの!!」
「......姉さんの写真見て顔赤くしてる癖によく言う」
もう包み隠さずに言おう。
僕はやきもちを焼いている。
......姉さんに樹を取られないか、とまで思ってしまっている。
しかし、そんな僕の心情を察してか、美咲ちゃんが爆弾を落としてきた。
「安心しなさい、光希。お姉さんなら婚約者いるから」
「ハァ?! こ、婚約者?!」
「えぇ。相手は出版社の御曹司♡玉の輿ね♡」
こんなビックニュース、本人の口から聞きたかったよ......。




