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美少女アイドルは100匹の猫かぶり!  作者: 朱音小夏


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第39話

 花恋の目論見虚しく、ネットでは二人を応援するコメントが溢れかえっていった。


『ビックカップルの誕生♡』

『公式......ってか、本人達が認めるwww』

『この二人......推せる!!』

『夢? ジュナヒカがこれからたくさん見れる......?!』

『夢じゃないから安心しろしwwwとりま、おめ!!』

『おめでとう泣泣泣』


「な、何よこれ......世間までおかしいんじゃないの?! こんなコメントおかしすぎるでしょ?! 批判コメントなんでないのよ!!」


 花恋がどれほど探しても、コメントは二人を祝福するものばかり。


「......こうなったら、もう最後の手よ」


 花恋はそう言うと一本の電話をかけようとした。

 しかし、その時花恋の部屋のドアが開く。


「花恋!! これは一体どういうことだ?!」

「パ、パパ? 何? どうしたの? 怖い顔して......」

「何? じゃない!! HIKARIとジュナの噂を流し始めたのはお前だということがバレたぞ?! 上手くやれと言ったじゃないか!! そのために腕利きのカメラマンまで雇ったというのに......。ウチの事務所は終わりだ!!」


 花恋は「そんなぁ......」とその場に崩れ落ちた。

 ジュナを手に入れるどころか、アイドル生命まで地に落ちたことをそこでようやく気付かされたのであった。




 ***


「もう!! 結果的には良かったけれど、ヒヤヒヤさせる行動はとらないで頂戴!! ......一歩間違えれば干されるところよ?」


 美咲ちゃんはそう言うと、事務所の中に戻った僕らの頭を一発ずつ叩いた。

 そして、一枚の紙を僕らに見せてきた。

 そこに写っていたのは、花恋がカメラマンに金を渡すシーン。そして――。


「『ジュナ&HIKARIを陥れる?! アイドルKの実態!!』? これって......」

「ウチの事務所を舐めてもらっちゃあ困るわ。もともと花恋にはパパラッチがついていたの。それを利用させてもらっただ・け♡」

「......美咲ちゃんは、はなから花恋ちゃんが怪しい、と?」

「えぇ。だから、このスピードで原稿を書かせることが出来たわ。」


 たしかに、つい今さっき僕らの関係をカミングアウトしたばかりだ。

 それなのに、もう原稿が上がってくる。

 ......もう、スタンバっていたとしか思えない。


「まぁ、間に合うとは思ってなかったけれど、流石、弟思いのお姉ちゃんね」

「......え?」

「聞いてない? 貴方のお姉さんは今までフラフラしてたけれど、今じゃ立派な芸能雑誌の編集者よ?」


 まさか姉さんが一枚かんでいたとは......。

 僕は周りに恵まれているな。


「光希、お姉さんがいたの? 聞いてないんだけど?」

「......話に上がらなかったから......」


 樹は僕が家族の話をしなかったのに、不服らしい。

 ......それはお互い様だというのに。


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