第38話
「......これって」
「花恋からだ」
「そう言えばジュナの熱狂的なファンだったわよね?」
HANAがそう言うと、皆が樹に注目した。
......ただのファンだろう? それなのにどうしてここまでする?
「......これは最後通告です。オレが花恋のものにならないから写真を流したんです」
「ヤダ」
「......え?」
「オレ、いやだよ? そんなことで樹がオレの恋人でなくなるなんて」
僕は無意識に涙を流していた。
それほど樹の存在が僕の中で大きくなっていた。
――樹を誰にも渡したくない。
例え何があったとしても。
「樹。オレ言ったよね?"守られるだけのお姫様になりたくない"って。今もその考えは変わってない。......だから、二人で戦おう?」
「......光希。いいのか? 今ならまだ引き返せる......?!」
――それ以上聞きたくなくて僕は樹にキスをした。
皆が見てようがお構いなしだ。
「――頼ってよ。オレを皆を」
「!!」
「そ、そうだぜ!! ジュナ!! お前は一人じゃない!!」
「コネ花恋なんて倒してやろう!!」
「......皆。ありがとう」
――この事務所のメンバーは温かい。
そう実感させられる。
僕達の問題を自分のことのように考えてくれている。
「......なんだか外が騒がしいわね」
美咲ちゃんがそう言って外の様子を見に行くと......
「もうこんなに報道陣が?!とりあえず、二人はしばらく事務所に......って、HIKARI?!ジュナ?!」
僕は樹の手を引いて外に出た。
樹も僕の行動に驚いたようで、目をまん丸くしてついてくる。
「あ! HIKARIさんとジュナさんが揃って外へ出てきました!!」
報道陣が僕らに注目している。
ジュナも僕の次の行動をうかがっている。
「HIKARIさん!! ジュナさん!! お二人は本当にお付き合いをされているんですか?!」
「ネットは今じゃお二人の話題でもちきりですよ!!」
皆が僕らを見ている。
今だ。今僕は世間に見せつけてやる。
――樹は僕のものだ、と。
「会見配信で嘘をついてごめんなさい。僕と樹は正真正銘の恋人です!!」
そう言うと僕は樹の口にキスをした。
樹はとても驚いていたが、僕を受け入れてくれてギュッと抱きしめてきた。
「......この通り、僕らはラブラブです!! 世間ではまだ受け入れてもらえないかもしれませんが、僕は、樹以外の人と一緒になるなんて考えられません!!」
「HIKARI、いや、光希の言う通り、オレも光希以外の人を選ぶなんてありえません」
そう言うと二人揃って手を繋ぎ、その手をカメラに見せつけるように掲げた。
報道陣は僕らがあまりにも堂々と宣言をするので、あっけに取られていた。
しかし一人、また一人と拍手が沸き上がった。
「世間の皆さん! 今ここに素晴らしいカップルが誕生しました!! どうか、祝福をしていきましょう!! おめでとうございます!!」
***
「なんで......なんでそんな堂々としてられるのよ......せっかくパパに言ってジュナさんの近くに行けるようにアイドルになったのに......なんで、どうしてなのよぉ......!!」




