↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美少女アイドルは100匹の猫かぶり!  作者: 朱音小夏


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/26

第25話

 さて、やって来ました!高級焼肉!!

 僕はKOUKIさんの奢りと言うことで、高い肉をジャンジャン注文していく。

 僕があまりにもはしゃいでいたためか、ジュナとKOUKIさんは微笑ましそうに見ている。


「......あの、二人してそんなに見られると穴が開きそうなんですけど」

「えぇ、可愛いから見てるだけだよー」

「光希が嬉しそうにしてるのがオレの幸せだから」


 ......二人揃っておかしなことばかり言う。

 やがて、注文した肉がやって来ると僕は片っ端から焼いていく。

 ――やっぱり奢りで食べる高い肉は最高だ。


「光希、こっちも美味しいよ。食べる?」

「......食べる」

「はい。あーん」

「じ、自分で食べられる!!」


 そうは言ったものの、ジュナは僕の口元に肉を持ってきて、頑なに譲ろうとしない。

 ......仕方ない。


「あ、あーん......」

「どう?」

「......美味しい」

「......二人とも、僕がいること忘れてません?」


 KOUKIさんは呆れたかのようにため息をついた。

 別に忘れていたわけではないのだが......肉の誘惑には勝てなかった。


「君達さぁ、感謝してよね?オレの奢りなんだから」

「「アリガトウゴザイマス」」

「......何で片言なの」


「しかも息ぴったりだし」というKOUKIさんに僕は反論しようとした。

 しかし、実際にハモってしまったのは変わらない。


「オレと光希の仲ですから。ね?光希」

「......どんな仲ですか」


 僕は行儀悪くも銜え箸をしながら答えた。

 やがて注文した肉を全てたいらげ、今日の打ち上げはお開きとなった。

 僕とジュナは帰り道が一緒なため、自然と二人きりになる。

 ジュナはいつも通り明るく話していたが不意に足をとめた。


「?ジュナ?」

「二人きりの時は"樹"って呼んでよ」

「......樹」

「うん」


 僕が名前を呼ぶだけでこんなにも嬉しそうな顔をする。

 ――あぁ、好きだなぁ


「今日はありがとうね」

「?何が?」


 果たしてお礼を言われるようなことをしただろうか?


「花恋ちゃんから逃がしてくれた」

「......困ってたみたいだったから」

「それだけ?」

「......」


 そう言われて僕は思わず立ち止まり俯く。


「光希?」

「......だったから」

「え?」

「お前が!オレ以外のヤツと一緒にいるのを見るのが嫌だったから!!」


 もう、取り繕うのはやめにする。

 これからは本心でぶつかっていく。

 ――でも。


「この先はまだ言わない」

「......お預けってこと?」

「うん」

「......そっかぁ。それならオレは待つよ。光希が言えるようになるその日まで」


 自分でも樹に対して酷なことを言っている自覚はある。

 ......けれど、思うんだ。まだその時じゃないって。


「帰ろう、光希」


 樹はそう言うと僕に手を差し伸べてきた。

 その手を迷いながらも握り返した。

 この幸せに胡坐をかいてしまったのかもしれない。

 ――この時はまさかこんなことになるなんて思わなかったから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。