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美少女アイドルは100匹の猫かぶり!  作者: 朱音小夏


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第21話

「それじゃ、オレは次の仕事があるからお先に」


そう言ってKOUKIさんはこの場から去って行った。

KOUKIさんが去って行ったあと、僕といジュナは二人きりになった。


「......」

「......」


気まずい。

先程まであんなに勢いよく話していたというのに、今は何を話していいか分からない。

すると――


「光希」

「......何」

「もう一回、名前呼んで?」

「......ヤダ」


......何を言い出すかと思ったら、名前を呼べだと?

もう僕は流されない。


「お願いったら、お願い!!」

「しつこい!!」

「なんで?!さっきは呼んでくれたじゃん!!」

「あれは......忘れて」


僕がそう言うと、ジュナは何故か嬉しそうな顔をして僕を見つめてくる。

――まるでこのやり取りにも幸せを感じているかのように。


「光希、オレ今世界一幸せ」

「......世界一?」

「だってずっと追いかけてきた子が、やっとオレを見てくれたんだもん」

「......大袈裟」


僕は思わずジュナから視線を逸らす。

それでもジュナは僕を真正面から見つめてくる。

......この視線が苦手だ。

真っ直ぐすぎて、僕の心の中まで見透かされてしまいそうだから。


「待つから」

「......え?」

「光希がオレをちゃんと好きだって言ってくれるまで待つよ」

「......バカじゃないの?待ってるうちに気が変わるかもしれないじゃない」


――こういう時、素直じゃない自分が嫌になる。

さっきだってほとんど勢い任せに言ったに過ぎない。

告白なんて、大それたものじゃない。

――いや、それでも僕にしては頑張った方じゃないか?


「......光希。オレはどんなに時間がかかっても、必ず光希の口から『好き』って言わせてみせる」

「......その間に、別の人を好きになるかもしれないじゃないか」

「それは断じてない。誓ってもいい」

「......何に誓う?」


僕は思わず、そんなことを口にしてしまった。

ジュナは目を見開いたかと思うと、にこりと微笑み僕の頬に手を添えた。


「......それはもちろん、神様に誓って」

「......重っ」

「ははっ!厳しいなぁ」


何故だろう。不思議と嫌な気はしない。

僕は意を決して、ジュナに言った。


「......じゃあ、待ってて。」

「うん?」

「僕が、オレが、好きだって認めるまで待っててって言ったの!!」

「!!もちろん!!」

「......絶対だからな?余所見なんかしたら絶対許さない」

「うん。絶対に待つよ」


そう言って笑うジュナを見ると――

不思議と心がぽかぽかした。

そして、嫌だとは思はなかった。

むしろ、この笑顔をもっとそばで見ていたい。

そう思うようになったのであった。

......僕はまだそれが恋かどうかわからない。

けれど、ジュナが僕ではない誰かといるところを想像すると、何故だか胸がざわつく。

ジュナが、僕を見て笑ってくれるのが嬉しい。

――そして、「待ってる」と言ってくれたことがどうしようもなく嬉しかった。


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