第14話
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そして翌日。
「たしかに了承はしましたけど、緊急企画って本当にやるんですか?」
事務所の会議室には、美咲ちゃん、KOUKIさん、スタッフ、そして......何故かジュナまでいた。
今回の企画にはジュナは必要ない気がするんだけれど......
「あら?もしかして、ジュナがいることが不思議かしら?」
「......はい」
「緊急企画だけれど、今回MVも撮ろうと思ってね」
「MV?!」
KOUKIさんの飛び込み企画にどこまで本気を出す気なんだ美咲ちゃん......
?それにしてもだからと言ってジュナがいる答えにはなっていない。
「私、昨日の三人を見て閃いちゃっの。デュエットもいいけれど、トリオもいいんじゃないかって!」
「トリオ?!」
「一人の女の子を二人の男が取り合う......乙女の夢の様を叶えるような曲を作りたいって!」
......美咲ちゃんの考えることは昔からよく分からない。
果たしてこれが乙女の夢なのだろうか......
「......要するに三角関係の曲を作りたい、と?」
「ご名答!"切ない恋の物語"......素敵だと思わない?」
「ソーデスネ」
これはダメだ。
姉さんがいるから分かる。
乙女モードになった女性はなかなか元に戻らない、と。
「てなわけで。役割分担の説明をするわね?」
「「「役割分担?」」」
三角関係というからには、叶う者と叶わない者がいると言う事。
......演技とは言え男と恋人同士になるのは......違和感がぬぐえない。
「まずは設定から。HIKARI演じる女性AとKOUKI演じる男性Bは付き合っている。そこに、Aに想いを寄せるジュナ演じる男性Cが現れる。Aは次第にCに惹かれていくんだけれど、Bと結婚の話が出ていてCへの想いを泣く泣く諦めるの。OK?」
「......僕は二股かける女性を演じるんですか?」
「二股結構じゃない!女はいつだって恋する乙女よ♡」
「......オレはHIKARIに振られるんですか......」
演技の話だと言うのに目に見えてガッカリしているジュナ。
......そんなに落ち込まなくったっていいじゃないか。
なんだか、こっちが悪い気になってしまう。
「オレは晴れてHIKARIちゃんと結婚できるわけですね?」
「......おい。間違えるな。相手は女性AであってHIKARIじゃない」
「一緒だよ。社長、結婚式のシーンもあるんですよね?」
「え?えぇ。そのつもりだけれど」
KOUKIさんはそれを聞くと何故かジュナに対し勝ち誇ったかのように笑みを浮かべた。
......なんなんだ、一体。
役でもないのに何で僕を取り合うみたいな......
「な、なんですか?二人して。MVの話ですよ?落ち着いてください」
「例え演技でも、HIKARIを取られるのは我慢できない」
「じゅ、ジュナ、さん?」
ジュナがそう発言したことによって、スタッフ達がざわめき始めた。
そうだ。ここには関係者が勢揃いしている。
今の発言は流石にまずい。
......かと思いきや。
「私、ジュナヒカ派!!」
「えぇ!コウヒカでしょ!!」
......どうやら何も心配はいらなかったようである。




