第12話
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こうしてやって来たライブ当日。
柄にもなく僕は緊張している。
......今まで緊張なんかしたことなかったのに。
「HIKARI?大丈夫?ほら、水飲みな」
「あ......ありがとうございます」
「......何が心配?」
「!!」
そうか、これは緊張ではなく"心配"だったのか。
......何が心配って、そんなの――
「貴方とのデュエットが上手くいくか......不安なんです」
「?なんで?レコーディングの時は、一発OKだったくらいに調子良かったじゃないかその後のレッスンでも皆に好評だったし......」
「......怖い」
「......え」
そう。あの時がピークで、最高のパフォーマンスが出来るかどうか。
......今はプロのアイドルなのでそんな心配をしているわけにはいかない。
なのに――
「......光希」
「え?んン?!」
ジュナはいきなりキスをしてきたのだった。
......誰もここにいなくてよかった。
「い、一体何して!!」
「ほら、ビックリして、心配どころじゃなくなったでしょ?」
「~~!!バカ!!バカバカバカ!!」
「ハハッ!痛いって」
悔しい。ジュナのヤツに慰められるなんて......
でもこれでスイッチが入ったのはたしかだ。
「......ありがとう、ジュナ」
「......違うだろ?」
「?」
何が違うと言うのだろうか?
僕が疑問に思っていると、ジュナは僕の耳元で囁いた。
「......二人の時は【樹】、だろう?」
「!!僕は了承してない!!」
「えぇ、残念だなぁ。オレの光希は冷たい......」
「お前の物になったつもりはない!!」
そんなやり取りをしていると、クスクスという笑い声が聞こえてきた。
その正体は、美咲ちゃんと......誰だ?
......あ、あれはもしかして!!
「【KOUKI】さん?!」
「え?あ!!」
美咲ちゃんは「ふっふっふ」とドッキリ大成功!!みたいに喜んでいた。
「今回のライブ、ウチのソロアーティストの【KOUKI】にも見てもらう事になったから!」
「......嘘!感激なんですけど!!あ、初めまして!HIKARIと言います!!」
「知ってるよ。めろでぃあの中でも群を抜いて可愛い子だなぁって思ってたから」
僕は握手を求められたのに感激して、握手をした。
それに面白くなさそうにジュナが挨拶をした。
「初めまして。NOIRのジュナです。お会いできて光栄です」
「こちらこそ」
......何故だろう?この二人、相性最悪なのでは?
「次はいよいよ二人の新曲ね。私も楽しみにしてるわ!ぶっ放してきなさい!!」
「「はい」」
そうして僕らは真っ暗になったステージに立つ。
イントロが流れ出すと、ファン達は騒めきたった。
そしてスポットライトが僕とジュナを照らし出す。
――大丈夫。僕には今、ジュナがいる。
歌い始めるとステージ上は一気に明るくなり、僕達は光に包まれた。
***
「いいなぁ、あの子」
「え?」
「社長、オレにあの子くれませんか?」
KOUKIの瞳に映るのはHIKARIだけであった。




