表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
95/227

死神の再来

「エリック……どうしてお前がここにいる?」


 私が訊ねると、エリックはニンマリと口の端を吊りあげて笑った。


「さぁねぇ……俺がここにいちゃいけないのかい?」

「それは……そうだろう……! お前は革命都市の人間だ……ここは王都クローネ。言うならばお前にとっては敵地だぞ?」

「敵地? ははっ! 面白いこというねぇ、旦那さん! ここが、敵地だって? あのねぇ、俺だってこの国の国民なんだぜ? それなのに、王都に来ちゃいけないっていうのかい?」

「お前は革命を目論んでいるだろう! そんなお前がここにいるってことが問題なんだ!」


 そういうとエリックはやれやれという風に肩をすくめた。


「仕方ない……奥さんが悲しむぜ?」


 するとエリックは懐からナイフを取り出した。


「なっ……どうする気だ、エリック」

「そりゃあ、旦那さん。今のアンタは俺にとって厄介だ。邪魔なものは取り払う主義でね。悪いが……ここで死んでもらうぜ!」


 そういってエリックはそのまま私に突進してきた。

 私は咄嗟に逃げようとした。しかし、身体が動かない。

 不味い……このままでは……

 私は目を閉じた。


 ガキンッ!


 と、金属と金属がぶつかる音が聞こえた。


「なっ……お、お前……! なんで生きている!?」


 ……私は、まだ生きている。

 不思議に思った。

 そして、ゆっくりと目を開ける。


「あ……」


 そして、思わず声を漏らしてしまった。

 黒い修道服に、真っ白な髪。

 私の腰の辺りまでしかない小さな体躯。


「まったく。久しぶりに会っても、相変わらず手のかかるヤツだな。お前は」


 振り返った少女の瞳は、まるでゆらめく蒼い炎のように美しかった。


「ちっ……く、くそっ! 覚えてろよ!」


 そういってエリックはその場から逃走した。


「お、おい! 待て!」

「やめろ。追うだけ無駄だ。アイツを捕まえたところで何の利益もない」


 はっきりそういわれてしまったので、私もエリックを追跡するのは断念した


「おーい! シャルル……あ!」


 と、背後からアルドンサの声が聞こえてきた。


「ああ、アルドンサ。すまない。急に飛び出してしまって」

「あ、ああ……え、えっと、シャルル。そこにいるのは……」


 アルドンサは目を丸くして私に訊ねる。


「ああ……久しぶりだな。マリアンナ」


 思わず優しく微笑んでしまいながら、私は久しぶりに会った小さな黒い死神にそう言った。


「相変わらずだな。私の奴隷」


 そして、マリアンナらしい返事に、私は満足したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ