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第31話 飴と鞭

ギルドのクエスト横取りペナルティを1週間から10日間に変更しました。

 アリシアといつもの貧乏長屋に帰ってきた。

「よろしくお願いします」

 帰ってきて扉を開けるなり改まって神妙な面持ちで彼女は頭を下げてそう言った。


「こちらこそよろしくお願いします」

 俺も頭を下げる。


 こうなったらアリシアには金貨3000枚分働いて貰わないと……受付のお姉さんとも仲いいしクエスト一杯回してくれるだろう。


 それに報酬は全部くれるって約束だし……ってアリシアは土とか雑草とか食えないから……食事代ぐらいは出してやらないとダメか……まあ1日分銅貨5枚でいいよな。


「アリシア、今後のことだけど」

「はい! 私も話そうと思ってました!」

 明るく返事をする。


「前にも言ったようにクエストの報酬は全部、俺が貰うでいいよな。ただアリシアは草とか土とかカビの生えたパンとか食べられないから、毎日銅貨5枚を渡すからそれで自分の分はなんとかして欲しい」


 アリシアは真顔で答える。

「……報酬は私が管理します」

「え……ど、どういうこと……」


「だって全部渡したら一瞬で全部使っちゃうじゃないですか! 今日の銀貨2枚だってもう全部ないんでしょ? そんな人に報酬全部は渡せません! ここの家賃だって払ってなかったでしょ? 私が来た時に大家さんに払ったんですよ」


「……だって……お金を入れたら強くなるんだよ?」

「もう充分強いって言ったじゃないですか」


「だって期間限定だよ!! 今あの紙を引かないともう引けないかもしれないんだよ!!」


「もう強いのにその紙を引く必要ってあるんですか?」

「ある! 絶対にある!!」


「しょがないですね……お小遣いは渡しますから、その範囲で紙を引いて下さいよ」


「いやだーいやだー報酬全部俺にくれるっていっただろ!」


「ふーん……いったい誰がその報酬を貰えるクエストを受注するんですかね?」


「……アリシア……さん……」

「ですよねー私がいないと報酬もらえませんよね?」


 期間限定は確か10日間は有ったはず……1週間だ……1週間我慢すれば俺でもクエストが受注できる……1週間経ったらアリシアをお父様に返品して、3日間に全部賭けて引きまくるしかない……あとはお小遣いの交渉を……ちょっとでも多く……


「わ、わかった……でもお小遣いは銀貨3枚ぐらいで……」


「銀貨?」

「す、すいません……銅貨30枚でお願いします……」


「じゃあ毎日、銅貨30枚お渡しします」

「あ、ありがとうございます……」


 ――翌朝。


 若い女の子と一緒に寝るわけにはいかないので外で寝た俺は、家の中に入る。昨日仕立てて貰った服を質屋に持っていく為だ。


「おはようございます! 今日もギルドに行っていっぱい仕事をしましょうね」

「う、うん……」

 俺は部屋に掛けてある服に手を伸ばそうとする。


「その服、どうするんですか?今日は必要ないですよね?」

「ちょっと質屋に……」


「売れませんよ。その服、ウェブ様に合わせて作ってますし、正装をする機会もあるはずですから一着は持っておいた方が良いですよ」

「……」


 じーっとアリシアが俺のことを凝視する。


「う、うんそうだね……はは……」


 そして毎朝、ギルドに行って夕方遅くまでクエストを受注する。ギルドが閉まると銅貨30枚を貰って穴で紙を引く。


 毎日の10連こっきりでもちろん★★★★★なんて引けるわけもなく、日数が経つにつれ焦りの気持ちと苛立ちが出てくる。クエストのモンスターでその苛立ちを解消をする日々。そして1週間が経とうとしていた……


 そして7日目の夕方を迎える


 やっとだ……やっと1週間経った……これでアリシアとおさらばできる。そして俺はこの3日間に全てを賭けて引きまくる!!


「今日はこれで終わりですね」

「うん、アリシア、実は話があるんだが」

「ちょうど良かった。私もウェブ様にお話があったんです」


 まあ、アリシアの話なんてどうせろくでもないことだろうけど、これで最後だから聞いてやるか。


「そっちからどうぞ……」


「これどうぞ」

 するとアリシアは小袋を取り出して俺に渡す。いつもの小遣いにしては軽いし、もったいぶって渡すものじゃないだだろう……


「なにこれ?開けていいの?」

 うんと頷くアリシア。俺は小袋の中を覗き込むすると黄金色に輝くコインが3枚入っている。


「え……き、金貨?」

「そうですよ。私達はこの1週間で上級のパーティになったんです。報酬もうなぎのぼりですし、いつも戦ってるのはウェブ様ですから、それは正当なウェブ様の報酬です」


「……報酬はアリシアが管理するって……それに毎日のお小遣いとか……」

「お小遣いは私の気持ちです。報酬は管理してますよ。これは労働の正当な対価なんです」


 ……アリシア……


「で、ウェブ様のお話ってなんですか?」

「……今から穴に行ってくる!」

「いってらっしゃい!」


 そして俺の手には金貨3枚、目の前には穴、全部突っ込めば10000枚!!



次回ガチャ回


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新作を書いております。ガチャ廃人は出てきませんが興味のある方はご一読をお願いします!

ダンジョンに置き去りにされた荷物持ち、実は最強の禁忌魔術の天才的な才能があり、僅か1年で極め無双する。
― 新着の感想 ―
[一言] 続きが気になる
[一言]  子供の給食費まで競馬に突っ込む、昭和のダメオヤジを見る ようです・・・・
[良い点] 尻に敷かれてる感あるよな
感想一覧
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