第23話 消えた穴
さあ! 穴に銅貨30枚を流しこんで……ってあれ? 穴がない?
目を擦り、何度も瞬きをするが視力強化(特)になっている俺の目で見ても、お金を入れると強くなる紙が出てくる穴が見当たらないのだ。
おかしい……今日から期間限定で★★★★★無限収納と★★★★分身が出てくる筈なのに。
地面に這いつくばってみてもどこをどう探しても穴がない。
……そ、そんな……ない……穴がない……ど、どうして?昨日まではあった! あそこに有った筈なのに!! きょ……今日から期間限定の筈なのに……
――1時間後
穴だらけの地面がそこにある。手で穴をほってみてお金を突っ込んでみたりしたが例の文字は現れない。
……ない……穴がない……ない……
そこからどうしたのか覚えてないが、気がつくと家の毛布に包まってうずくまっていた。
ぎーっといって家の戸が開く。戸の方を向くとアリシアが立っている。
「いきなり居なくなってひどいですよ……ってどうしたんですか?ひどい顔してますよ?」
「……ないんだ……穴が……」
「穴?」
「穴がないんだ……穴がないなら、お金はもう要らない」
そういって俺は銅貨30枚入った小袋をアリシアに向けて放り投げる。
ガシャンとそのまま床に転がる小袋。
「手切れ金だ……パーティは解消……」
俺がそう言うとアリシアは消え入りそうな声で俺に問いかけてくる。
「そ……そんな……ど、どうして穴が無くなったら私とのパーティ解消するんですか……」
「……その穴にお金を入れると俺は強くなれるんだ……穴がないってことは、もう俺は強くなれない。もう金なんて必要ない……アリシア、君と一緒にいる理由がもうないんだ……」
俺がそう言うとアリシアはドスドスと床を鳴らして、俺の前に立つ。
「ウェブ・ステイ!! あなたはもう充分、強いんです!! あなたは私を救ってくれました!! 私の夢の中であなたは無敵の強さを誇ってました!! さっきのゴブリンと戦ったのを見て、私は確信しました。あの夢は本当のことだったんだと! もう強くなる必要はないんですよ!! あなたは充分に強い!!」
「……俺が強い?」
「ええ! 私にとってあなたは最強のナイトです!!」
……鑑定眼……
ウェブ・ステイ
Lv50
HP1350
MP650
力S+
頑丈S
素早S
魔力S
魅力S
運A
スキル:★★★★★絶対防御・★★★★悪食++・千里眼++・死者蘇生(仮)+・瞬間移動++・魔法反射・★★★光属性付与(上)鑑定眼(上)闇属性付与(上)審美眼(中)魔眼(上)重力制御(中)★★火属性付与(上)水属性付与(特)風属性付与(特)土属性付与(上)雷属性付与(上)氷属性付与(上)★猫目(特)
強化:★★★運強化(上)高速機転(中)★★第6感強化(上)反射神経強化(上)★筋力強化(特)体力強化(特)動体視力強化(特)瞬発力強化(特)魔力強化(特)魅力強化(特)聴力強化(特)視力強化(特)嗅覚強化(特)味覚強化(特)経験値アップ(特)
耐性:★★毒耐性(特)出血耐性(上)呪い耐性(上)麻痺耐性(上)
???:天国への階段
そうだ……俺のステータスはこれだけある。スキルも山のようにある!! 暗黒教団の教祖も叩き潰して、ミノウタウロスも叩き潰した。俺はもう強い!! もう穴は必要ない!!
うずくまっていた俺は立ち上がって、アリシアの両肩を掴む。
「ありがとう……アリシア……目が覚めたよ……俺はもう強い。穴が必要ないほどにな……」
アリシアは涙で目を潤ませている。
「それじゃパーティは?……」
「もちろん君と一緒にいたい。居てくれるよね?」
そう言うと顔を真っ赤にさせたアリシアは両手で顔を隠しながらコクリと頷く。
そんな時俺の目の前にあの文字が現れた……
『この度は緊急メンテナンスでご迷惑をおかけしました。只今から期間限定ガチャを開始いたします。メンテナンスのお詫びとしてガチャ10連を進呈いたします』
その文字を見た俺は瞬時に床に転がるお金を拾い上げ、穴に瞬間移動をした。




