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差し迫る戦争 (2)

 もしシンジケートに情報を流している裏切り者がいるとすれば、王の側近の奥深くにいる人物か、金庫室の近くに直接配置されている人物のどちらかであるはずだ。


 思い当たる容疑者は、俺が訪れた時にドアの外に配置されていた、あの重武装の衛兵二人だけだ。


 だが、たとえ中にエピック級武器が保管されていると知っていたとしても、明らかな証拠を残さずにレゴリオを脱走して稲妻の裂け目へ向かうことなどできないはずだ…


 もしかしたらヤンマは何か知っているかもしれない。だが、たとえ聞いたところで教えてくれるとは到底思えない。エピック級武器に関わる国家機密は厳重に機密扱いされているからだ。


 やがて夜が訪れ、分厚い雨雲が荒々しく月を覆い隠す。最後に取り残されていた数人の住民たちも、すでに北門から安全に避難しつつあった。


 王族もついに城から避難しようとしている。遠くに、国王と王妃と共に正面の大扉から護衛されて出てくるライザの姿が見えた。


 中庭には、彼らを安全地帯へ輸送するための、重装甲で豪華な馬車が待機している。


 ライザが顔を上げ、混沌とした広場を見渡して、遠くに立っている俺を見つけた。彼女はすぐさま護衛から離れ、純粋な不安に顔を歪ませながら俺の方へと全力で走ってきた。


 彼女は俺の目の前で滑るように立ち止まり、激しく息を切らした。


「まだここで何をしてるの!?」彼女は息継ぎの合間に問い詰める。


「俺は戦うよ」と、俺は落ち着いた、安心させるような笑顔で答える。


「正気なの!?」ライザは叫ぶ。「家族と一緒に避難しなきゃダメでしょ!自分が生き残れるかどうかも分からないのよ!ライトが強いのは知ってるけど、軍隊全体を相手にするなんて無茶すぎる!」彼女はまくしたて、俺に口を挟む隙を全く与えない。「あなた…死なないわよね?」泣き出したい衝動と必死に戦いながら、彼女の目は涙で潤んでいる。


 俺は一歩近づき、彼女の潤んだ青い目を真っ直ぐに見つめた。そして、震える彼女の肩にそっと手を置く。


「心配しないで。俺は強いから」と俺は言い、その声を極めて真剣なトーンに落とす。「やらなきゃいけないんだ、ライザ。俺は自分の愛する場所を守りたい。他の皆がそのために血を流しているのに、自分だけ安全な場所で見ているなんて絶対に嫌だ」


 ライザはそこに凍りついたように立ち尽くし、目を皿のように丸くしている。突然、彼女は前に飛び出し、俺の胸に顔を埋めて俺の腕を強く握りしめた。


「もし死んだら、私が文字通りあなたを殺すからね!」彼女はそう泣きじゃくり、きびすを返して王室の馬車へと全力で走って戻っていった。


 どうやら、ついに理解してくれたらしい…


 数分後、広場からは誰もいなくなった。俺は冷たい石のベンチに一人座り、そびえ立つ無人の城と向き合っている。


 ヘラとリチャードは今頃、心配で気が狂いそうになっているに違いない。俺がこんなに遅くまで外にいることなんて絶対にないからだ。


 本当にごめん、母さん、父さん。でも、今夜は首都で寝泊まりしなきゃならないんだ。


 唯一の本当の懸念はウィリアムだ。彼は絶対に俺を探しに来るだろう。包囲戦が始まるちょうどその時に、彼が街に迷い込まないことだけを神に祈る。


 突然、騒ぎが俺の目を引いた。一隊の兵士たちが広場の防衛陣地を素早く放棄し、巨大な東門へ向かって目的を持って小走りで向かっている。あちらで何か大きなことが起きているに違いない。


 ベンチから立ち上がり、騎士たちの軌跡を追うと、ちょうど東門の重い鉄の落とし格子がゆっくりと軋みながら開くところだった。


 見事な金の装飾で縁取られた、滑らかで真っ黒な馬車が――二頭の雄大な白馬に引かれ――アーチを抜けて転がり始めた。


 ヤンマは十数人の重武装した騎士を両脇に従え、出迎えの部隊の先頭に立っている。


 馬車が敷居を完全に通過すると、軋む音を立てて停止した。装飾が施された木製のドアがカチャリと開く。


 外は信じられないほど暗く、街灯の揺らめく光が石畳の上に病的な黄色い色合いを投げかけている。


「あれは誰ですか?」と、俺はヤンマの隣に滑り込みながら小声で尋ねる。


「あれがゴールドランク冒険者、ロディック・レッドラーだ」


 馬車の入り口に暗いシルエットが形成され、ゆっくりと、そして慎重に客室から足を踏み出す。


 その男の足が金属製のステップに触れると、ランタンの光が彼の重厚な茶色の革のブーツを捉えた。


 馬車から完全に降り立つと、ついにロディックの容姿が光に照らされた。


 彼は平均的な身長の男で、真ん中で綺麗に分けられた非の打ち所のない直毛の金髪を持ち、両サイドは鋭く刈り上げられている。彼の目はハッとするような光り輝く緑色をしている――熱帯の海の水のようであり、あるいはオーロラの不気味な輝きのようだ。顔の骨格はこけており、強烈なほどに鋭い。


 アーモンド型の目は細く、信じられないほど鋭く見透かすようで、獲物を狙う鷲のような捕食者としての真剣さを漂わせている。


 彼は流れるようなフォレストグリーンのハーフクロークを肩に羽織っている。その下には滑らかなグレーの戦闘用チュニックを着ており、胸の上でX字に交差する分厚い革のベルトでしっかりと固定されている。ゆったりとしたベージュのズボンを穿いており、足首のすぐ上で細く絞られている。


 だが、最も異様な特徴はその顔だ。ロディックの顔の下半分は、ぴったりとしたベージュの布マスクで完全に隠されている。


 ヤンマはすぐに前に進み出て、敬意を表して彼に挨拶するために手を差し出した。


「ご助力いただき、大変光栄に存じます、レッドラー殿」ヤンマはその男の目を真っ直ぐに見つめながら言う。「総員、跪け!」彼女は鋭く命令する。即座に、周囲にいたすべての騎士が馬車の周りで片膝をついた。


 俺も跪かなきゃいけないのか!?


 まあ、反逆罪で牢屋に放り込まれるのだけは絶対に御免だ…


 俺は重武装した衛兵たちと並んで、慌てて片膝をついた。


 ロディックは手を伸ばし、ヤンマの握手に応じる。驚いたことに、彼は真っ白な手袋をはめている。


 感染症や細菌に対して、異常なほど偏執的らしい。


「歓迎に感謝する」とロディックは答える。彼の声は中音域で信じられないほど滑らかだが、冷酷で計算高い無関心さを完全に放っている。


 二人をよく見ると、実はヤンマの方が彼より少し背が高いことに気づく。


 ヤンマが女性にしては異常に背が高いのか、それとも彼が驚くほど背が低いのか…


「作戦会議室へ移動しましょう」ヤンマはそう言い、くるりと向きを変えて、街の中心にある城の要塞へ向かって足早に歩き出す。


 ロディックは一言も発しない。彼はただ彼女の後ろについて歩き出し、俺のことなど二度見することもなく、すぐ横を通り過ぎていった。


 彼はおそらく、俺がそこにいたことすら認識していないだろう。


 ヤンマが伝説の冒険者を自ら護衛する間、周囲の騎士たちは立ち上がり、自分たちの巡回ルートへと戻っていく。


 当然、俺はこんな機会を指の間からすり抜けさせるつもりはない。


 経験豊富なゴールドランクの冒険者と同じ部屋に座るチャンスがあるのだ。この瞬間を骨の髄までしゃぶり尽くしてやる。


 慎重に距離を保ちながら、彼らに足音を聞かれないように細心の注意を払い、曲がりくねった石畳の道を登っていく二人をこっそりと尾行する。


 城の内中庭に到着すると、ヤンマとロディックは厳重に要塞化された鉄の門に近づいた。その両脇には、軍の野営地へのアクセスを厳しく管理する、二人の背の高い近衛兵が立っている。


 くそっ。あんな衛兵たちが、幼児が散歩がてら中に入るのを許すわけがない…


 とにかくやってみるしかない。


 もし拒否されたら、裏の壁をよじ登って侵入してやる!


 俺は胸を張り、勲章を与えられた騎士の堂々とした歩き方を真似ながら、自信満々に門へと向かって行進した。


「おい、坊主。避難して両親を探しに行きな」衛兵の一人が吠え、ガントレットを身につけた手を突き出して俺を止めた。


「この区画の民間人はすでに全員避難させたはずだがな」と、もう一人の衛兵がぼやく。


「俺は王族の個人的な友人だ。地政学的に言えば、実質的にあんたらより上官だぞ」と、俺は彼の目を真っ直ぐに見据えてハッタリをかました。


 恐ろしいほど見え透いたハッタリだ…


「一体どんな狂った理屈だ、そりゃ?」最初の衛兵が鼻で笑う。


「通してやれ」


 すでに中庭を半分ほど横切っていたヤンマが突然立ち止まり、振り返って二人の衛兵を睨みつけた。


「しかし隊長、彼は――」


「命令だぞ、兵士」ヤンマは轟くような威圧感のある重い声で響かせるように命じた。


 二人の騎士は身をすくませ、すぐに脇へ退いて重い鉄の門を引いて開けた。ストイックな軍人としての冷静さを保とうと必死に努めているが、その目に純粋なパニックが浮かんでいるのが見える。


 直属の上官から公衆の面前で叱責されるのを楽しむ奴なんていないだろうな…


 ロディックがゆっくりと首を巡らせ、ここで初めて俺と目を合わせた。彼の鋭く毒のある視線に射抜かれ、即座に腹の奥底から激しい緊張が湧き上がってきた。


 どうやら、怯える衛兵たちと俺は全く同じ穴の狢らしい。


 俺は凍りついた衛兵たちを後にして、素早く門を通り抜けた。ヤンマがこの件で彼らの給料を減額しないことを心から祈る…


 ヤンマは微かに事情を察したようなニヤリとした笑みを俺に向け、俺も同じように笑い返した。


 二人に追いつこうと小走りで進むが、ロディックは完全に沈黙したままで、その冷たい表情は一ミリたりとも変化しない。


 軍の野営地に入ると、ヤンマは標準的な将校の兵舎よりもはるかに大きい、巨大な司令部テントへと俺たちを案内した。


 中に足を踏み入れると、部屋の中央にはテントの長さをほぼ埋め尽くすほどの、巨大で重厚なオーク材の作戦用テーブルが鎮座している。


 テーブルの上には何十本もの太いろうそくが散在しており、踊るような影を落としながら、その薄暗く厳粛な空間を照らし出している。


 複雑な彫刻が施された木製の椅子がテーブルの周囲に並んでいるが、この部屋の中にいる生きた人間は俺たち三人だけだ。


 テーブルの上は戦術情報のカオスな有様だ。広げられた王国の地図、部隊の移動台帳、そして雑に描かれた補給路が、木の上に無造作に散らばっている。


 蓋の開いたインク壺の隣には、高価な万年筆がだらしなく置かれている。


 ヤンマとロディックはテーブルのちょうど中央の席に着き、真正面に向かい合って座る。


 作戦会議における四歳児のための座席マナーなど存在するはずもないので、俺はヤンマのすぐ隣の椅子にひょいと飛び乗った。


 ヤンマが散らばった戦術地図を集めて整理するのに忙しくしている間、俺はこの機会がゴールドランクに自己紹介する絶好のチャンスだと判断した。


「は、初めまして。俺の名前はライト・ロッズです」と俺はどもりながら言い、テーブル越しに少し震える手を差し出した。

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