第37話「獄牙、動く」
翌日の放課後。
蓮たちは、二つの封印石を並べていた。
湊が刻まれた紋様を見比べる。
「やっぱり、この二つには同じような模様がある」
黒川が頷く。
「三つ目の場所を示している可能性が高い」
隼人が地図を見る。
「ここから西だ」
「じゃあ、明日行こう」
蓮が言った。
その時――
ドンッ!
突然、窓が砕け散った。
「!」
四人が振り返る。
黒い妖気が部屋へ入り込む。
その中から、獄牙が姿を現した。
「久しぶりだな」
蓮が天照を抜く。
「獄牙……!」
獄牙は二つの封印石を見る。
「それを返してもらう」
蓮が前に出る。
「絶対に渡さない」
「ならば、奪う」
獄牙が一気に踏み込む。
ガキィン!
蓮の天照と獄牙の爪がぶつかる。
「くっ……!」
蓮は押される。
だが、以前とは違う。
身体を低くして攻撃をかわす。
「今度は……!」
横へ回り、天照を振る。
ザンッ!
獄牙の腕に傷が入る。
「……!」
獄牙が目を細める。
「少しは成長したか」
「この前と同じだと思うな!」
蓮が再び踏み込む。
隼人も加勢する。
「一人では無理だ!」
二人で攻撃する。
獄牙は二人の刃をかわしながら、後ろへ下がる。
黒川が札を放つ。
「封!」
札が獄牙の身体に張り付く。
「今だ!」
蓮が斬り込む。
しかし――
獄牙の身体から黒い妖気が噴き出した。
バキッ!
札がすべて破れる。
「まだ、この程度か」
獄牙が拳を振る。
蓮と隼人が同時に吹き飛ばされる。
「ぐっ!」
「蓮!」
湊が封印石を抱えて後退する。
獄牙の視線が湊へ向く。
「石を渡せ」
湊は首を振る。
「嫌だ!」
獄牙が近づく。
その瞬間、蓮が立ち上がった。
「湊から離れろ!」
天照が強く光る。
獄牙が足を止める。
「……その光」
蓮は刀を構える。
「何だ?」
獄牙は天照を見つめる。
「やはり、その刀は厄介だ」
「だったら――」
蓮が走る。
「倒す!」
獄牙も迎え撃つ。
二人の攻撃が激しくぶつかる。
しかし、獄牙は最後の一撃を受ける直前、後ろへ飛んだ。
「今日はここまでだ」
「待て!」
獄牙は黒い煙に包まれる。
「三つ目の封印石は、俺が先に手に入れる」
その言葉を残して姿を消した。
蓮は天照を下ろす。
「……逃げた」
隼人が言う。
「違う」
「え?」
「次の場所を知っている」
黒川も険しい表情になる。
「急がないと、本当に先を越される」
湊が封印石を見る。
「三つ目の場所……急いで調べよう」
四人はすぐに準備を始めた。
獄牙との次の戦いは、もう避けられない。
第37話 完




