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妖怪大戦記  作者: 湯けむり作家
第2章「封印石争奪戦」
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第36話「封印石を持つ妖怪」

地下へ続く広間。


妖怪は封印石を握ったまま、蓮たちを睨んでいた。


「この石は渡さん」


蓮が天照を構える。


「なら、奪う!」


蓮が踏み込む。


妖怪の爪が振り下ろされる。


ガキィン!


天照で受け止める。


「くっ……!」


以前よりも重い。


蓮は力任せに押し返そうとする。


だが、黒川の言葉が頭をよぎった。


――力を入れすぎるな。


蓮は一度身体を引く。


妖怪の攻撃をかわし、その勢いを利用して横へ回り込む。


「そこだ!」


ザンッ!


妖怪の腕に傷が入る。


「ぐっ!」


隼人も反対側から斬り込む。


「蓮、今だ!」


「分かってる!」


二人が同時に攻撃する。


妖怪は後退する。


しかし、その手にある封印石が突然光り始めた。


「……!」


黒い妖気が妖怪の身体へ流れ込む。


「何だ……?」


湊が驚く。


妖怪の傷がみるみる塞がっていく。


「封印石の力を吸収してる!」


黒川が叫ぶ。


「蓮、気をつけろ!」


妖怪が巨大化する。


「これが……封印石の力だ!」


ドンッ!


床が砕ける。


妖怪の拳が蓮へ迫る。


「蓮!」


蓮は横へ飛ぶ。


拳が壁に直撃する。


轟音とともに壁が崩れた。


「危なかった……」


蓮が立ち上がる。


隼人が妖怪を見る。


「正面からじゃ無理だ」


「じゃあ、どうする?」


「封印石を狙う」


蓮が頷く。


「分かった」


黒川が札を取り出す。


「俺が動きを止める。その隙に二人で石を奪え」


「頼む!」


黒川が札を投げる。


「封!」


札が妖怪の両足に張り付く。


妖怪が動きを止める。


「今だ!」


蓮と隼人が同時に走る。


妖怪が腕を振る。


隼人が受け止める。


「蓮、行け!」


蓮は妖怪の懐へ入り込む。


封印石を握っている腕を狙う。


「返せ!」


天照を振り抜く。


ザンッ!


妖怪の手から封印石が弾き飛ばされた。


湊が走る。


「俺が!」


落ちてきた封印石を両手で受け止める。


その瞬間――


封印石が強く光った。


蓮の天照も同時に輝く。


妖怪が叫ぶ。


「その刀……またか!」


蓮は天照を握り直す。


「何度言っても分からないなら――」


一歩踏み込む。


「ここで終わらせる!」


天照の一閃が妖怪を斬り裂いた。


「グアアアアッ!」


妖怪は黒い煙となって消えていく。


地下室に静けさが戻った。


湊が封印石を見る。


「……今度は守れた」


黒川が頷く。


「これで二つ目だ」


蓮は天照を見る。


「やっぱり、この石は天照と何か関係がある」


隼人も頷く。


「間違いない」


しかし、次の瞬間。


封印石に刻まれていた紋様が、二人の目の前で淡く光った。


湊が気づく。


「これ……地図じゃない?」


黒川が石を覗き込む。


そこには、まだ見たことのない場所を示す紋様が浮かんでいた。


蓮は顔を上げる。


「次の封印石の場所かもしれない」


隼人が静かに言う。


「なら、急ぐぞ」


「うん」


四人は新たな手掛かりを手に、地下室を後にした。


だがその頃。


遠く離れた場所で、獄牙は二つの封印石の反応を感じ取っていた。


「……二つ目まで奪われたか」


獄牙の目が鋭くなる。


「次は、俺が直接動く」


第36話 完

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