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妖怪大戦記  作者: 湯けむり作家
第2章「封印石争奪戦」
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第32話「封印石」

山道を進んだ蓮たちは、崖の下にある洞窟へ辿り着いた。


「ここだ」


湊が地図を見る。


「地図に書かれていた場所と一致してる」


隼人が洞窟の奥を見る。


「気をつけろ」


「何かいる?」


蓮が尋ねる。


「妖気が濃い」


四人は洞窟へ入った。


奥へ進むにつれ、壁に古い文字が増えていく。


やがて、広い空間に出た。


中央には石の台座。


その上に――


黒い石が浮かんでいた。


「封印石……!」


湊が声を上げる。


蓮が近づこうとした、その時。


「遅かったな」


奥から声が響いた。


全員が振り返る。


暗闇から、一体の妖怪が姿を現した。


その妖怪を見た瞬間、隼人の表情が変わった。


「……お前」


蓮が隼人を見る。


「知ってるのか?」


隼人は刀を抜いた。


「こいつは……俺の村を襲った妖怪だ」


妖怪が笑う。


「まだ生きていたか」


隼人の手に力が入る。


「忘れるものか……」


蓮が隼人の前に立つ。


「一人で戦うな」


「……」


「俺たちもいる」


隼人は蓮を見る。


「……分かった」


妖怪が封印石へ手を伸ばす。


「王のために、これはもらっていく」


黒川が札を構える。


「させるか!」


札が飛ぶ。


妖怪が腕で弾き飛ばす。


「邪魔をするな!」


妖怪が突進する。


蓮と隼人が同時に動いた。


ガキィン!


二人の刀が妖怪の攻撃を受け止める。


「隼人!」


「分かってる!」


二人が左右に分かれる。


蓮が正面から斬り込み、隼人が背後へ回る。


ザンッ!


妖怪の背中に傷が入る。


「ぐっ……!」


妖怪が怒り狂う。


「人間ごときが!」


妖気が膨れ上がる。


黒川が叫ぶ。


「蓮、隼人! 下がれ!」


だが、妖怪は二人へ向かって突っ込んだ。


その瞬間――


洞窟の奥で、封印石が強く光った。


蓮の天照も同時に輝く。


「まただ……」


蓮が天照を見る。


封印石と天照が共鳴している。


隼人も気づいた。


「……天照が反応してる」


妖怪が封印石を見る。


「まさか……」


その表情が初めて崩れた。


「その刀……!」


蓮は天照を握る。


「何を知ってる?」


妖怪は答えない。


ただ、封印石へ向かって走った。


「渡すか!」


蓮が追う。


しかし――


妖怪の手が封印石に触れた瞬間、洞窟全体が揺れ始めた。


ゴゴゴゴゴ……。


「何だ!?」


湊が叫ぶ。


封印石から強烈な光が放たれる。


妖怪が苦しそうに叫んだ。


「ぐあああっ!」


そして、その身体が吹き飛ばされた。


封印石は台座へ戻る。


蓮たちは呆然とする。


隼人が呟いた。


「……選んだのか」


「何を?」


蓮が聞く。


隼人は封印石と天照を交互に見る。


「この石は、誰にでも触れられるわけじゃない」


蓮は石を見つめた。


まだ、この封印石には秘密がある。


第32話 完

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