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妖怪大戦記  作者: 湯けむり作家
第2章「封印石争奪戦」
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第31話「謎の少年」

山の奥から、妖怪が姿を現した。


四本の腕を持つ、大型の妖怪だった。


「封印石は……どこだ」


妖怪の視線が、山奥へ向く。


蓮が天照を構える。


「お前に渡すわけにはいかない」


隣に立つ少年も刀を抜いた。


「こいつは俺が斬る」


蓮が少年を見る。


「一人でやる気か?」


「お前は後ろにいろ」


「嫌だね」


蓮は前へ出る。


「俺も戦う」


少年は蓮を見る。


「……勝手にしろ」


妖怪が四本の腕を振り上げる。


「死ね!」


一気に襲いかかってきた。


ガキィン!


蓮が一撃を受け止める。


「重い……!」


二本目の腕が迫る。


その瞬間、少年が横から斬り込んだ。


ザンッ!


妖怪の腕に傷が入る。


「今だ!」


少年が叫ぶ。


蓮はすぐに踏み込んだ。


「はあっ!」


天照が妖怪の胸を斬る。


「グオオッ!」


妖怪が後退する。


黒川が札を投げる。


「動きを止める!」


札が妖怪の足に張り付く。


しかし妖怪は力ずくで札を破った。


「まだ動けるのか!」


湊が叫ぶ。


妖怪が蓮たちへ突っ込む。


少年が前へ出る。


「右は任せろ!」


「分かった!」


二人は同時に動いた。


蓮が左から斬り込み、少年が右から攻撃する。


妖怪の動きが乱れる。


「今だ!」


蓮が一歩踏み込む。


天照が強く光る。


「これで終わりだ!」


一閃。


妖怪の身体が大きく揺れる。


少年も同時に刀を振り抜いた。


ザンッ!


妖怪は黒い煙となって消えていった。


蓮は息を整える。


「……倒した」


少年が刀を収める。


「悪くない」


「上から目線だな」


蓮が苦笑する。


少年は山奥を見る。


「封印石は、あの先だ」


湊が尋ねる。


「君は何で封印石を探してるの?」


少年は少し黙った。


「妖怪に渡れば、玄冥の力が戻る」


黒川が目を細める。


「お前も玄冥を知っているのか」


「ああ」


少年は三人を見る。


「俺も、あいつを止めるために動いている」


蓮が驚く。


「じゃあ、俺たちと同じじゃん」


「目的は同じでも、やり方は違う」


少年はそう言って歩き出す。


蓮が追いかける。


「だから、名前くらい教えろよ」


少年は振り返った。


「……神崎 隼人」


そう名乗った。


蓮は頷く。


「俺は蓮。よろしく、隼人」


隼人は小さく頷いた。


「……ああ」


四人は山の奥へ進んでいく。


その先には、封印石が眠る場所がある。


第31話 完

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