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妖怪大戦記  作者: 湯けむり作家
第2章「封印石争奪戦」
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第29話「地下の妖怪」

地下室に妖気が広がる。


蓮は天照を構えた。


「封印石はどこだ?」


妖怪は笑う。


「もうここにはない」


「なら、誰が持っていった?」


「それを知ってどうする?」


妖怪が一気に距離を詰める。


「聞き出す!」


蓮も踏み込む。


ガキィン!


天照と妖怪の爪がぶつかった。


蓮は押し返される。


だが、すぐに体勢を立て直す。


「昨日までとは違う……!」


黒川が後ろから叫ぶ。


「力任せになるな!」


蓮は一度息を吐く。


昨日の修行を思い出す。


力を入れすぎない。


身体の動きを止めない。


「……分かった」


妖怪が再び襲いかかる。


蓮は横へかわす。


そのまま一歩踏み込み――


「そこだ!」


天照を振り抜く。


ザンッ!


妖怪の腕を斬り裂いた。


「グアッ!」


妖怪が後退する。


黒川が驚く。


「動きが変わったな」


蓮は天照を構え直す。


「まだ終わってない」


妖怪が怒りの声を上げる。


「人間ごときが!」


妖気が一気に膨れ上がる。


地下室の壁が震える。


湊が後退する。


「強くなってる……!」


黒川が札を構える。


「蓮、一人では危険だ!」


「分かってる!」


黒川が札を放つ。


「封!」


札が妖怪の足に張り付く。


動きが止まった。


「今だ!」


蓮が走る。


しかし――


妖怪が無理やり札を引き剥がした。


「なっ!」


妖怪の拳が蓮へ迫る。


ガンッ!


天照で受け止める。


「ぐっ……!」


蓮の足が床を滑る。


「蓮!」


湊が叫ぶ。


蓮は歯を食いしばる。


「まだ……!」


天照が再び光る。


蓮は身体を低くする。


「これで……!」


一気に踏み込む。


「はあっ!」


ザンッ!


今度は妖怪の胸を斬り裂いた。


妖怪が膝をつく。


「……馬鹿な……」


黒い煙が身体から漏れ始める。


「我らの王は……すでに……」


妖怪は最後まで言葉を続けることなく、黒い煙となって消えた。


蓮は天照を下ろす。


「……勝った」


黒川が近づく。


「修行の成果は出たな」


湊が周囲を見る。


「でも、封印石はない」


蓮は台座を見る。


「じゃあ、妖怪の仲間が持っていったってことか」


黒川が頷く。


「そう考えるのが自然だ」


湊が床に落ちているものを見つける。


「待って」


拾い上げたのは、古びた紙片だった。


そこには地図の一部が描かれている。


湊が目を見開く。


「これ……次の場所かもしれない」


蓮が覗き込む。


地図には、山の奥にある一つの場所が印されていた。


「行こう」


黒川が頷く。


「ただし、次はもっと警戒する」


三人は地下室を後にした。


封印石は、すでに妖怪たちの手に渡っている。


そして蓮たちは、次の封印石を追うことになる。


第29話 完

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