第28話「封印石の場所」
修行を終えた蓮たちは、湊のもとへ集まった。
「封印石の場所が分かったのか?」
蓮が聞く。
「正確な場所までは書かれてない。でも、手掛かりはある」
湊が古い資料を見せる。
「『山に囲まれた古い社。その地下に封印石あり』って書いてある」
黒川が資料を見る。
「この近くに条件に当てはまる場所がある」
「どこ?」
「昔使われていた神社だ」
蓮が立ち上がる。
「行こう」
三人は山へ向かった。
しばらく歩くと、木々の奥に古い社が見えてきた。
「ここか……」
湊が辺りを見回す。
社は長い間使われていないようだった。
黒川が地面を見る。
「……妖怪の痕跡がある」
「もう来てるってこと?」
「可能性が高い」
蓮が天照に手を添える。
三人は社の中へ入った。
床には古い紋様が刻まれている。
湊が資料と見比べる。
「これだ」
「地下への入口は?」
三人で探す。
すると蓮が床の一部に違和感を覚えた。
「ここ……」
床板を動かす。
その下には、石造りの階段が続いていた。
「地下がある」
三人は階段を下りていく。
暗い地下道の先。
小さな部屋があった。
中央には台座。
しかし――
そこには何も置かれていない。
「……ない」
湊が呟く。
黒川が台座を調べる。
「誰かが持ち去ったようだ」
蓮が周囲を見る。
床には、見覚えのある黒い跡が残っていた。
「妖怪が先に来た?」
その瞬間。
奥から足音が聞こえた。
コツ……コツ……。
三人が振り返る。
暗闇の中から、一体の妖怪が姿を現した。
「遅かったな」
蓮が天照を抜く。
「お前……封印石を持ってるのか?」
妖怪は笑う。
「すでに仲間が持ち去った」
「仲間?」
黒川の表情が変わる。
「獄牙の仲間か?」
妖怪は答えない。
ただ、蓮たちを見据える。
「お前たちがここまで来たことは、すでに伝わっている」
湊が息を呑む。
「俺たちのことを知ってる……?」
妖怪が一歩前へ出る。
「百鬼の王に逆らう者の顔など、すぐに広まる」
蓮は天照を構える。
「玄冥に会ったことがあるのか?」
妖怪の口元が僅かに上がる。
「我らは皆、王のために動いている」
その言葉と同時に、妖怪の身体から妖気が溢れ出す。
黒川が構える。
「蓮、気をつけろ」
「分かってる」
蓮は一歩踏み出した。
「封印石は渡さない」
妖怪が笑う。
「ならば、ここで消えろ」
地下室に、妖気が広がった。
第28話 完




