第27話「修行」
翌日の放課後。
蓮は黒川と二人で、人気のない神社に来ていた。
「ここで修行するの?」
「ああ」
黒川が蓮を見る。
「昨日の獄牙との戦いで分かっただろ」
「……力が足りなかった」
「それだけじゃない」
黒川は天照を見る。
「お前は刀に頼りすぎている」
蓮は黙る。
「天照が強いからこそ、振り回されれば自分が危険になる」
「じゃあ、どうすればいい?」
「まずは基本からだ」
黒川は木刀を一本、蓮に渡す。
「今日は天照を使わない」
「え?」
「自分の身体を使え」
蓮は木刀を握る。
「分かった」
修行が始まった。
何度も木刀を振る。
一振り。
二振り。
三振り。
やがて腕が重くなる。
「まだだ」
「……はぁ……はぁ……」
「力を入れすぎるな」
蓮は一度深呼吸する。
もう一度、振る。
今度はさっきよりも滑らかだった。
黒川が頷く。
「少し分かってきたな」
その頃。
少し離れた場所では、湊が古い資料を読んでいた。
「封印石……封印石……」
ページをめくる。
すると、ある記録に目が止まった。
「……これだ」
そこには、封印石について書かれていた。
『封印石は一つではない。各地に分けて隠されている』
湊は目を見開く。
「やっぱり……」
さらに読み進める。
「しかも、場所を示す記録がある」
湊は急いでスマホに記録する。
その時――
遠くから蓮の声が聞こえた。
「まだ終わらないの?」
「終わらない」
「厳しすぎるって!」
湊が思わず笑う。
しかし、その直後。
資料の最後の一文に気づく。
『封印石をすべて集めし時、封じられし力は王のもとへ戻る』
湊の表情が変わる。
「……全部集めたら、玄冥の力が戻る」
資料を閉じる。
「蓮たちに知らせないと」
湊は二人のもとへ走り出した。
一方、蓮は再び木刀を構える。
「もう一回!」
黒川が頷く。
「来い」
蓮は踏み込んだ。
今度の一撃は、昨日までとは違っていた。
第27話 完




