第24話「封印石の秘密」
翌日の放課後。
蓮、黒川、湊は、昨日見つけた二つの黒い石を机の上に並べていた。
「やっぱり同じだな」
湊が二つの石を見比べる。
「形も大きさもほとんど同じ」
黒川は石をじっと見つめる。
「ただの封印石じゃないかもしれない」
「どういうこと?」
蓮が尋ねる。
「昨日の妖怪は、この石を取り戻すために来た」
「うん」
「なら、この石そのものに意味がある」
湊が古い資料をめくる。
「あった!」
三人が覗き込む。
そこには、黒い石の絵とともに短い文章が書かれていた。
『封印石は、封じられし力を分け、その力を守る器なり』
蓮が眉をひそめる。
「封じられし力……?」
黒川が頷く。
「玄冥を封じた力の一部かもしれない」
「じゃあ、この石を集めると……」
湊が言葉を止める。
「玄冥の力が戻る?」
黒川は答えなかった。
だが、その沈黙が答えだった。
蓮は石を見つめる。
「妖怪たちは、この石を集めてるんだ」
「おそらくな」
その時。
蓮の天照が、突然光った。
「また……!」
石も同時に淡く光る。
二つの石が、同じ方向を示すように輝いた。
湊が驚く。
「何だこれ……」
黒川が窓の外を見る。
「石が反応している場所がある」
「どこ?」
黒川は光の向きを確認する。
「北だ」
蓮が立ち上がる。
「行こう」
「待て」
黒川が止める。
「今の状態で妖怪のいる場所へ行くのは危険だ」
「でも、何か分かるかもしれない」
湊も頷く。
「俺も行く」
黒川は二人を見る。
「……分かった。ただし、危険ならすぐに戻る」
三人は石を持って、光が示した方向へ向かった。
しばらく歩くと、古い山道に入った。
蓮が立ち止まる。
「ここだ」
木々の間。
そこには古びた石碑が立っていた。
石碑には――
玄冥の名が刻まれている。
「……玄冥」
湊が息を呑む。
黒川が石碑を調べる。
「ここにも封印があったんだ」
「でも、もう壊れてる」
蓮が石碑の周囲を見る。
地面には、あの印が刻まれていた。
そして――
その中心には、黒い石を置くための窪みが一つ。
湊が気づく。
「この石……ここに置くものじゃないか?」
黒川が頷く。
「おそらく」
蓮は二つの石を見る。
「じゃあ、まだ他にもある」
その瞬間。
背後から声がした。
「その通りだ」
三人が振り返る。
木々の間から、一体の妖怪が姿を現した。
これまでの妖怪とは違う。
身体は大きく、圧倒的な威圧感を放っている。
黒川が札を構える。
「蓮、湊。下がれ」
妖怪は二つの封印石を見る。
「それを渡せ」
蓮は天照を抜く。
「断る」
妖怪が笑う。
「ならば、力ずくで奪う」
第24話 完




