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妖怪大戦記  作者: 湯けむり作家
第2章「封印石争奪戦」
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第23話「黒い石」

放課後。


蓮たちは黒川の家に集まっていた。


机の上には、昨日見つけた黒い石が置かれている。


「これ、本当に妖怪が探してるものなのか?」


蓮が石を見る。


「分からない」


黒川は慎重に答える。


「ただ、あの妖怪が取り戻そうとしていたのは間違いない」


湊が古い資料を広げる。


「この石について書かれてるものがないか、探してみる」


三人で資料を調べ始める。


しばらくして――


「あった」


湊が一冊の古い記録を開く。


そこには、黒い石によく似た絵が描かれていた。


「これ……」


蓮が覗き込む。


絵の横には、


『封印石』


と書かれている。


「封印石?」


「詳しくは書かれてない」


湊がページをめくる。


「でも、妖怪を封じるために使われたものらしい」


黒川が石を見る。


「なら、妖怪たちが探している理由も分かる」


「これを壊せば、もっと妖怪が出てくる?」


蓮が尋ねる。


「可能性はある」


その時。


蓮の手が、石に触れた。


「……!」


天照が突然光る。


「蓮!」


蓮の視界が真っ白になる。


次の瞬間――


燃える森。


逃げ惑う人々。


無数の妖怪。


そして、森の中央に立つ一人の男。


男は天照を握っていた。


蓮は、その顔を見ようとする。


しかし、炎に遮られて見えない。


「誰なんだ……!」


男が振り返る。


その瞬間、景色が消えた。


「……!」


蓮は現実に戻った。


「大丈夫か?」


黒川が肩を支える。


「今……また見えた」


「何を?」


蓮は息を整えながら話す。


「燃えてる森と、妖怪。それから天照を持った人」


湊が考え込む。


「この石に触れたから見えたのか?」


「分からない」


蓮は石を見る。


「でも、今までよりはっきりしてた」


黒川が石を布で包む。


「もう触るな」


「うん」


その時。


窓の外から、何かが落ちる音がした。


ガタンッ!


三人が振り返る。


黒川がすぐに窓へ向かう。


外には誰もいない。


ただ、庭の地面に――


黒い石がもう一つ落ちていた。


湊が息を呑む。


「……同じ石?」


黒川が外へ出る。


石を確認する。


「同じだ」


蓮が窓から外を見る。


「じゃあ、これを置いたのは……」


その瞬間。


屋根の上から声が響いた。


「それは返してもらう」


三人が見上げる。


昨日の妖怪が立っていた。


「またお前か!」


蓮が天照を抜く。


妖怪は屋根から飛び降りる。


「その石は、我らには必要だ」


「何に使うんだ!」


「知る必要はない」


妖怪が襲いかかる。


蓮も迎え撃つ。


ガキィン!


天照と爪がぶつかった。


黒川が札を構える。


「蓮、無理に倒そうとするな!」


「分かってる!」


湊は後ろから石を守る。


妖怪は蓮と数度刃を交えると、黒い石へ向かって走った。


「そっちか!」


蓮が追う。


妖怪が石へ手を伸ばす。


しかし――


天照が妖怪の腕を弾いた。


「渡さない!」


妖怪は一瞬、蓮を睨む。


「……覚えておけ」


妖怪は黒い煙に包まれ、その場から姿を消した。


蓮は天照を下ろす。


「また逃げた……」


黒川が首を振る。


「今回は石を取り戻すのが目的だった」


湊が石を見る。


「ということは、やっぱりこの石は重要なんだ」


蓮は頷いた。


「うん」


机の上に置かれた二つの黒い石。


そして蓮の頭に浮かんだ、天照を持つ謎の人物。


妖怪たちが探すものと、天照の過去。


二つの謎が、少しずつ繋がり始めていた。


第23話 完

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