第22話「妖怪の目的」
放課後。
蓮、黒川、湊の三人は、昨日見つけた印について調べていた。
「昨日の妖怪……印の中に消えたよな」
蓮が言う。
「移動に使っている可能性が高い」
黒川は資料を広げる。
湊も古い記録を読み返していた。
「待って」
湊が一ページを指差す。
「ここ、何か書いてある」
三人が覗き込む。
そこには、古い文章が残されていた。
『百鬼の王が目覚めし時、散らばりし同胞は印を辿り集う』
蓮が眉をひそめる。
「同胞が……集まる?」
「つまり、妖怪たちはどこかに集まろうとしてるってことか?」
湊が尋ねる。
黒川が頷く。
「そう読める」
蓮は考える。
「じゃあ、人間を襲うのも……」
「目的の一つかもしれない」
黒川が続ける。
「だが、この記録だけでは何を目的に集まっているのかまでは分からない」
その時。
湊が別のページをめくった。
「これ……」
そこには、もう一つの文章があった。
『印の先には、封じられし力が眠る』
「封じられし力?」
蓮が呟く。
「それって……玄冥が探してるもの?」
「分からない」
黒川が答える。
「ただ、妖怪たちが何かを探している可能性は高い」
蓮は天照を見る。
すると――
刀身が僅かに光った。
「……!」
蓮が驚く。
「また光った」
黒川が天照を見る。
「この記録と関係しているのか?」
蓮は首を振る。
「分からない」
その時だった。
外から、何かを叩くような音が響いた。
ドンッ。
三人が顔を見合わせる。
もう一度。
ドンッ。
湊が窓の外を見る。
「誰かいる?」
「分からない」
黒川が立ち上がる。
三人で外へ出る。
建物の裏手。
そこには誰もいない。
だが、地面には新しい印が刻まれていた。
「……まただ」
湊がしゃがみ込む。
その瞬間。
印が赤く光った。
「下がれ!」
黒川が叫ぶ。
三人が距離を取る。
印の中央から黒い煙が噴き出した。
しかし――
妖怪は現れなかった。
煙が消えると、そこには小さな黒い石だけが残っていた。
「何だこれ?」
蓮が近づく。
黒川が止める。
「触るな」
湊が石を観察する。
「もしかして、これが妖怪たちの探しているものなんじゃ……」
蓮が石を見る。
天照が再び光った。
「……!」
黒川の表情が変わる。
「やはり、何か関係がある」
三人は石を見つめた。
しかし、その直後――
遠くから妖怪の声が響いた。
「それを……渡せ……」
蓮が振り返る。
建物の屋根。
そこに一体の妖怪が立っていた。
「それは我らのものだ」
蓮は天照を抜く。
「だったら、どうしてこれを置いていった?」
妖怪は答えない。
ただ、三人を睨みつける。
「いずれ取り戻す」
そう言い残し、妖怪は闇の中へ消えていった。
蓮は石を見つめる。
「……これ、何なんだ?」
黒川は答えなかった。
ただ一つだけ分かった。
妖怪たちは、何かを探している。
そして――
その「何か」が、蓮たちの目の前に現れた。
第22話 完




