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妖怪大戦記  作者: 湯けむり作家
第1章「封印崩壊編」
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第21話「広がる異変」

翌日の放課後。


蓮たちは学校近くの公園に集まっていた。


「昨日の印……まだ気になるな」


湊がスマホを見ながら呟く。


「何か分かったのか?」


「いや、まだ何も」


湊は首を振る。


「でも、昨日の資料に書いてあったことを考えると、あの印は他の場所にもあるかもしれない」


黒川が頷く。


「探してみる価値はある」


三人は公園周辺を調べ始めた。


しばらく歩いたところで、蓮が足を止める。


「……あれ」


公園の奥にある古い石垣。


その一角に、見覚えのある印が刻まれていた。


「まただ」


湊が近づく。


「昨日のものと同じ」


黒川が周囲を見る。


「妖怪の気配は?」


蓮は目を閉じる。


「……今はいない」


湊が印を撮影する。


その時だった。


遠くから悲鳴が聞こえた。


「誰かいる!」


蓮が走り出す。


黒川と湊も続く。


公園を抜けた先の路地で、一人の男性が倒れていた。


その前に、妖怪が立っている。


「逃げろ!」


蓮が叫ぶ。


妖怪が振り返る。


「人間……」


蓮は天照を抜く。


「その人から離れろ!」


妖怪が笑う。


「邪魔をするか」


妖怪が蓮へ向かって突っ込んでくる。


ガキィン!


天照と爪がぶつかった。


蓮は踏ん張る。


「こいつ……!」


今までの妖怪よりも力が強い。


黒川が札を構える。


「蓮、下がれ!」


「分かった!」


蓮が横へ飛ぶ。


黒川が札を放つ。


「封!」


札が妖怪の腕に張り付く。


しかし妖怪は力任せに札を引き剥がした。


「効かない……!」


黒川の表情が変わる。


妖怪が蓮へ迫る。


「蓮!」


湊が近くにあった木の棒を拾い、妖怪へ投げつける。


妖怪が一瞬だけ振り向いた。


その隙に蓮が踏み込む。


「はあっ!」


天照が妖怪の肩を斬る。


「グアッ!」


妖怪が後ろへ下がった。


だが、倒れない。


「まだだ!」


蓮が構える。


妖怪も再び身構えた。


その瞬間――


妖怪の身体に刻まれていた黒い模様が赤く光った。


「何だ……?」


地面に、あの印が浮かび上がる。


黒川が叫ぶ。


「蓮、離れろ!」


蓮が飛び退く。


印から黒い煙が噴き出した。


妖怪はその煙に包まれる。


そして――


姿が消えた。


「また逃げた……」


蓮が息を切らす。


黒川は首を横に振った。


「違う」


「え?」


「今回は、逃げたんじゃない」


黒川は地面に残った印を見る。


「この印を使って移動したんだ」


湊が驚く。


「じゃあ、あの印は……」


「妖怪たちが移動するためのものなのかもしれない」


蓮は印を見つめる。


昨日まで知らなかった妖怪たちの動き。


そして、各地に現れる謎の印。


玄冥が目覚めたことで、何かが始まっている。


そんな感覚が、蓮の中で強くなっていった。


「……止めないと」


天照を握る。


「このまま妖怪が増えたら、もっと人が襲われる」


黒川が頷く。


「だからこそ、もっと力が必要だ」


湊も二人を見る。


「俺もできることを探す」


三人は、それぞれの決意を胸に公園を後にした。


その頃。


遠く離れた場所。


一つの印が、地面で赤く光る。


その中心から、別の妖怪が姿を現した。


「人間の世界……」


妖怪は周囲を見渡す。


「ここから始めるか」


第21話 完

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