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妖怪大戦記  作者: 湯けむり作家
第1章「封印崩壊編」
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14/28

第14話「変わり始める力」

放課後。


蓮は公園で木刀を振っていた。


「一、二、三……!」


昨日よりも身体が軽い。


百回振り終えても、以前ほど腕が重くなかった。


「……ちょっと変わってきたかも」


黒川は黙って蓮を見る。


「まだまだだ」


「厳しいなぁ」


「妖怪は待ってくれない」


蓮は木刀を置き、天照を抜いた。


「じゃあ、これも」


構える。


昨日までとは違う。


足の位置も、刀の握り方も安定している。


「……いいな」


黒川が初めて素直に認めた。


「本当に?」


「ああ。少しずつだが、身体が刀についてきている」


蓮は嬉しそうに笑う。


「よし!」


その時だった。


カサッ。


公園の茂みが揺れた。


蓮がすぐに天照を構える。


「妖怪?」


「まだ分からない」


二人が警戒していると、茂みから友達が顔を出した。


「蓮?」


「えっ、お前?」


友達は蓮の持っている刀を見て驚く。


「何それ?」


蓮は慌てて天照を隠した。


「これは……木刀!」


「いや、どう見ても刀じゃん」


「ちょっとした……遊び道具」


「変なの」


友達は笑いながら帰っていった。


蓮はホッと息を吐く。


「危なかった……」


黒川は真剣な顔をしていた。


「蓮」


「ん?」


「今の反応、かなり速かった」


「そう?」


「ああ。前のお前なら、あれほど早く構えられなかった」


蓮は自分の手を見る。


少しずつだが、自分自身が変わっている。


その夜。


蓮は家へ帰り、自分の部屋で天照を眺めていた。


「今日は、前より上手く振れた」


刀身に触れる。


その瞬間――


キィン。


天照が光った。


「……!」


今までよりも強い光。


蓮の頭の中に、一瞬だけ見知らぬ景色が浮かんだ。


燃え上がる森。


無数の妖怪。


そして、誰かが天照を握っている。


「……誰だ?」


映像はすぐに消えた。


蓮は呆然とする。


「今の……何だったんだ?」


天照は静かに光を失った。


翌日。


学校。


蓮が廊下を歩いていると、黒川が近づいてきた。


「昨日、何かあったか?」


「……分かるのか?」


「顔に出てる」


蓮は昨日見た光景を話した。


黒川の表情が変わる。


「燃える森……?」


「ああ」


「他には?」


「妖怪がたくさんいた」


黒川はしばらく黙った。


「それは、ただの夢じゃないかもしれない」


「どういうこと?」


「天照が、お前に何かを見せた可能性がある」


蓮は天照を見る。


「この刀が……?」


その時。


校舎の外から、低い唸り声が聞こえた。


二人が窓を見る。


校庭の隅。


誰もいない場所に、黒い影が立っている。


「……妖怪だ」


黒川が呟く。


「行こう」


「待て。まだ授業が残ってる」


「でも、あいつが学校に入ってきたら……」


蓮は窓の外を見る。


黒い影が、こちらを見上げていた。


そして――


ニヤリと笑った。


第14話 完

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