第4.5話 一方その頃
兄弟と別れたジオ達は、いつものように5人でベロニクの目抜き通りを歩いている。
「リクとベル、大丈夫かな」
アリアが独り言のように呟く。
「そうですわね。リク、ショック受けているように見えましたわ」
「リクも冒険家になりたいって言ってたもんねー……」
マーサとココも同じようなことを考えていた。
「たしかに…… ちょっと気まずかった……」
リゼも気まずさは感じていた。
「二人になってさらに気まずくなってないといいけど」
アリアは特に心配していた。ただでさえこれからバラバラになるのに、その前に二人がぎこちなくなるのは見たくなかった。
「おいおい! お前ら何年あいつらと付き合ってるんだ!」
ジオは全く気にしていないようだった。
「あいつらは喧嘩こそよくするが、次の日にはケロッと二人で登校してくるじゃねえか」
「そうだけど! 今回は喧嘩とは違うし……」
「心配するだけ無駄だと思うぜ!」
「その自信はどっから来るのよ! あんたほんとに二人の友達?」
「ほんとに友達だからだよ、アリア」
「なにそれ! うちが友達じゃないみたいじゃない!」
ジオに噛みつくアリア。
「リクとベルは俺たちなんかよりもずっと一緒にいるし、互いの事を理解している」
「それに、リクもベルも俺たちが思っているよりずっと大人だ。俺なんかよりもな!」
ジオはそう言って豪快に笑う。
「アリアはお子ちゃまだからわからんと思うがな!」
「なんだとーーー!!!!」
一言多いジオに顔を真っ赤にして怒るアリア。
「アリアはボクよりも子供だもんね!」
「それはマジでぜっっったいない!」
「あら、ココはこう見えて大人びていますわよ」
「マーサは黙ってなさい! あんただってすぐムキになるくせに!」
「なっ…… 何を言っているかわかりませんわ。おほほ」
「このデカチチ女!」
「それ以上は許しませんわよ! 子供みたいな胸しているアリアに言われたくありませんわ!」
「ムキーーー!!!!」
「二人ともやめて……」
「そうだぞ! 二人ともリゼを見習え!」
いつも通り喧嘩になるアリアとマーサ。それを盛り上げるココ。仲裁するリゼとジオ。
「はぁ、なんか馬鹿らしくなってきたわ」
疲れて我に返るアリア。
「そうですわね」
それに同意するマーサ。
「ボク、リクとベルは大丈夫な気がしてきた!」
「そうね。きっと向こうもいつも通りだよ」
「だから、言っただろうが! 心配するだけ無駄だって」
「明日になったらいつも通りだぜ、きっと」
「そうね。なんか損した気分」
そうして、雑談しながら歩く一行。
一人、また一人と別れてジオとリゼの二人になった。この二人の家が『ワルテ』から一番遠いのだ。
「リゼ、リクが言ってたこと覚えてるか?」
「水晶玉の話?」
「そうだ。何故かずっと気になってな。なんでだろうな」
「そうね。私も気になっていたわ。明日先生に聞いてみようかな」
「そうだな。何かわかったら教えてくれ」
「うん」
少し歩いたところで別れる二人。
「じゃあ、また明日な」
「うん。また明日ね」
(帰ったら自分でも調べてみるか)
何故自分がこんなに気にしているか分からないが、わからないままだと気持ち悪い。ジオはそういうタイプだった。
一方その頃ブラン家では、盛大なパーティーが開かれていた。アリア達の事など露知らず、中々食べられない御馳走を頬張るリクとベルであった。




