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第2の求愛者

少ないです(´Д` )



動きづらいドレスを身に纏いながら王宮の長い廊下を当てもなく歩いていた。

いつ見ても、無駄に豪華な建物だ。全体的に白が基調で、埃一つない。

そう、ちょっとした気分転換に歩いていただけなのに前方から何やら黄色い声が聞こえてきた。

薄い茶髪の癖っ毛を取り囲んでいる待女達の声だ。

フィオナは即座に認識すると、回れ右をした。

早々にこの場を離れようと体が動くのだ。

すると、急に体が宙に浮き、天井が見えた。何者かに腰と脚を持たれている。薄い茶髪の癖っ毛がフィオナの顔にサラッと落ちる。

フィオナは自分の目を疑った。

整った顔が目の前にあったのだ。

周りの待女達が叫んでいる。フィオナの顔を覗き込んでいる彼の口元は密かにつりあがっている。


フィオナは頭の中をフル回転させ、漸く辿り着く事が出来た…これは、世にゆう姫抱っことゆうものではないかと…。

フィオナがこの状況を理解すると、頭上から声が聞こえた。


「逃げなくてもいいじゃないですか、フィオナ様」


彼の笑顔を見て、私は笑うしかなかった。待女達は何時の間にかいなくなっている。助けは来ない…。


「イオン…久しぶりね。下ろして欲しいんだけど…」


「ダメですよ。何を言ってるんですか?下ろしたらフィオナ様、逃げるでしょ?」


やっと、遠い所での仕事が終わって会えたのに、絶対に離したくなかった。


…一方イオンの言葉は図星なので、顔が多少引き攣っているフィオナ。

いや、そーいえばイオンに会ってないなぁと思っていた。

てゆうか、むしろ今までイオンと会わなかった事が不思議なくらいだ。


「イオンが私にあんなことをしたからでしょーが」


「あれは、俺悪くないってば、男の前であんな格好をしてたフィオナ様が悪い。許して下さいよ」


「イオンがあんなことするなんて思わないに決まってるだろう。私のファーストキスを奪っておいて…許しても糞もあるか」


「すみませんでした。それより、フィオナ様ちゃんと食べてる?」


イオンの手がモゾモゾと私の体を触りだし、イオンの顔が近くに来たと思ったら胸元を匂われた。


「っっっ?!」


「もうちょっと、お肉がいると思いますよ?」


イオンはフィオナの顔を見て、ペロッと自分の口の端を舐めた。


「出るとこは出てるけど、この軽さは心配です。」


イオンの顔は注意してるんですよ?と、言わんばかりだ。

いやいやいや、言ってる事と手の動きが違いますけど!

特に腰を持ってる手が胸に伸びてますけど?

イオンの細長い人差し指がフィオナの胸の周りをなぞる。

イオンはフィオナの耳に生暖かい息を吹きかけて、あり得ない事を口にした。


「俺はフィオナ様が好きなんだ」


からかってると思い、イオンの顔を見てみると、照れくさそうに頬は少し赤く染まっていた。

うーん…どうやら本気らしい。

私はどうやら人生で二度目の告白をされてしまったらしい。

フィオナの頭は告白されたのに案外冷静に考えてた。

私に2人目の求愛者か…面白いな…

生憎、私は今のところ何方にも恋心など芽生えていない。と、いうことで。


「では、私を惚れさせてみろ」


姫抱っこの状態のまま、フィオナは何も考えずに右手でイオンの頬を触って言っていた。

上目遣いみたいな可愛いものではない。

フィオナの瞳は何も映さず只々、イオンの瞳の奥を見つめていた。

それはまるで、試すかのように…


フィオナは無表情なのに、何か、ゾクッとするものがあった。

イオンはフィオナに逆らえなくなっていた。自然とフィオナを地に下ろしイオンはその場に佇んでいた。


フィオナは、身の自由を手に入れ、当てもなく長い廊下を歩いて行く。

イオンを置いて…


さて、イオンはどう出るかな…


フィオナは、イタズラをした後の子供のような笑みを見せながらイオンの行動を楽しみにしていた。





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