出会い
6/20編集しました(>_<)
あれから、五年の月日が経った。フィオナは、18歳になりあの泉でのんびり暮らしていた。家も此処に小さなのを建てている。隠れながら暮らしているのだ。
五年の間にカイは魔力が高くなり普通に森に入っても大丈夫になった。
フィオナは草原に身を委ねあの日のことを思い出していた。
五年前に比べて、この国はとても綺麗になった。
なんでも、現国王が国の浄化活動に力をいれたんだそうだ。
少なくとも、街や森や湖や川や海にはゴミがない状態だ。争いごとも五年前からない。
フィオナはゴロゴロと寝返りを打ち、どこか、遠い目をした。
「また、ここにいたんですか?フィオナ様」
カイと同様に魔力が高くなったイオンを見てフィオナは微笑む。
イオンは三年の間に魔力を高めることに専念して、『ようやく見つけた、我が姫』と、言って来たフィオナの前に現れた。あの時は驚いたな。
一瞬、誰だか分からなかった。
背も高くなって、フィオナを祐に超えていたのだ。成長期とは、恐ろしい…。
もともと、整っている顔立ちだったから…あれでは女たちがほっとかないだろうに。
そんなことをぼんやり考えながら、イオンを眺めていた。
「フィオナ様、裾が肌けてるんですけど、、、!」
イオンが急に叫ぶ、頬が若干赤い。イオンの言葉に下を見てみると、あぁ、膝上まで脚が見えているだけだった。
「少しぐらいはいいだろう。」
「よくありませんよ!ったく、それでは襲ってくれって言ってる様なものですよ‼」
イオンが妙に手で顔を隠して慌てている。凄く不審な動きだ。
「誰もこんな女を見ても襲う気も起きまい」
自分の魅力と言うやつは自分が一番知っている。
フィオナが自身に鼻で笑った後に身体の自由が効かなくなった事に気づく。フィオナの両手首を頭の上で片手で固定され、フィオナの上にのし掛かる状態でイオンに見下ろされているのだ。
「本当にそう、思ってんですか?」
なにやらお怒りモードなイオンさん。髪が靡いていて妙に色っぽい。それよりも、動きが早くないか?
「フィオナ様、無防備過ぎです。貴方は、例えどんなに強くても女なんですよ?女が男には力で勝てない。」
ギリッと手首に力をいれる。
フィオナ様はご自分の魅力を分かっていなさすぎる。
フィオナ様の今の姿は、脚だけがはだけているのではない。
肩も丸見えなのだ。イオンは理性を保つのに必死だった。どうしたらこの方に伝わるのだろう…。
この方の姿を誰にも見せたくないのに。
「ッッ!」
フィオナの手首に痛みが走る。
「俺ももう大人です。俺が貴方を我が姫にしたのは、ただ単に、貴方を愛しているから・・・」
こんな場面でなんだが、告白をしてしまった。しかし、イオンに後悔はない。もう…我慢出来ない。
くさい台詞を言う割に切なそうな顔をするイオンは、15歳と思われない大人の顔だった。
そんな顔をフィオナが確認したのも束の間、顔が間近に迫ってきて生温かい何かが貪るようにフィオナの唇を食す。
「んッ!んーっ」
抗議しようと口を開けば、ぬるっとざらっとしたものがフィオナの口内に侵入してきた。フィオナの舌を絡め取り、逃れようとすれば頭を固定され、より濃厚な口付けをされていく。
「…ふっ…ぅん、はっあ……ぁ」
止まらない彼の口付けにいつのまにか解かれていた両手首を彼の胸にドンドンと叩く。
フィオナの酸素が減少しているからだ。彼はそんなことお構い無しにフィオナの唇を吸う。
少し満足したのか、一旦フィオナの唇を離す。フィオナの唇は真っ赤にぷっくりと腫れた。
フィオナは18年生きてきたが、男の免疫が全く無かったので、深いキスだけでも初めての経験だった。
体中に電流が走ったような感覚に陥り力が入らない。
多少涙目になりながら我ながら貞操の危機だと本能が働いた。
しかし、18年生きてきただけはあり、何処か冷静だったフィオナの身体にはいつのまにか、赤い花びらが散りばめられていた。彼の優しい愛撫にフィオナの思考は停止寸前だった。
彼がフィオナの衣服に手をかけた直後だろうか、強風が彼を包み泉に落ちた。
勿論、彼が落ちたんですよ。
フィオナが呆然としているなか
森の奥からドスの効いた、地を這うような声が聞こえた。
「おい、イオン・・・てめぇは任務をほったらかして未来の妃に何をしてんだ?」
気のせいでしょうか?
森から現れた男の人を包む青い炎が見えます。
森から現れた男の人は長い黒髪を後ろで束ねて、黒茶の瞳を泉に向けている。・・・ん?
さっきこの人、未来の妃って言った?
フィオナの頭の上に疑問符がぐるぐると回っていることも知らないで今度は泉から声が聞こえた。
「陛下!何も落とすこたぁねぇだろ」
ざぱぁと泉から出てきたイオンはずぶ濡れでいかにも服が気持ち悪そうだ。
……………って陛下!?
フィオナはついつい、イオンが言っていた陛下を凝視してしまった。
これがあのジーク?やけに大人っぽくなって・・・仮ジークは黒髪が長く延びていて後ろで括っている。身長も更に高くなり大人の雰囲気を全身で漂わせている。
「自業自得だ」
仮ジークがばっさり言った。イオンがムキーと言っている。
それを見ていたフィオナは不意に仮ジークと目が合ってしまった。
仮ジークはツカツカと黒髪を靡かせてフィオナの前まで来て膝を付いた。
「俺はフィオナに真実を突きつけられて変わった。フィオナが言ったように死ぬべき種族は俺たち人間だ。だが、愚かながらもこの5年間、フィオナを忘れた日はない。・・・好きだ。
もう一度、俺にチャンスをくれないか?」
射抜かれるような深い目つきで真っ直ぐに見られ、さっき体験した電流が心臓に走った。フィオナは、いつのまにかジークの告白に頷いていた。
フィオナの頷きをこの目で見たジークは、生まれて始めてした満面の笑みを見せていた。
フィオナの胸にトクンッと何かが落ちたような感じがしたが、気のせいだろうと、フィオナは記憶の奥に留めて置いた。




