執務室で…
「おい…どう言うことだ?」
質の良いフカフカのソファーに腰掛けて、神妙な顔つきの陛下が2人に問いかける。
「我々も訳がわからず…」
イオンは右隣に居るテルに顔を向ける。テルはイオンの顔が向くとそれに気付き首を横に振る。
「フィオナに許嫁なんて居たのか…?」
陛下が苦虫を噛み潰したような顔をして目を反らす。
「初耳で御座います。」
テルが陛下を見上げる。
「しかも、フィオナ様はお兄様と言っておられました。」
「フィオナに兄上がいたのか…?」
陛下の顔付きが余計に鋭くなる。
「ちょ、陛下!こっちを見て睨まないで下さいよ」
陛下の恐ろしい目がイオンを睨みつける。
まるで射殺されるような鋭い眼つきで見て来るのだ。そんな陛下に追い討ちをかけるテル。
「しかも、フィオナ様は許嫁の方にキスをされても動じておりませんでした。」
「あの、オッドアイの瞳を持つ青年か…何処かで…」
陛下は頭の片隅にオッドアイの青年がある様な気がするが、どうしても思い出せない。頭が混乱していた。祭りからフィオナ達が帰って来たと思ったら、まさかのフィオナの許嫁に会った、と言う話を聞かされたのだ。
冗談では無いらしい。フィオナはその許嫁と言う奴の事を知っていたし、親しい間柄だと言うのも本当みたいだ。
何よりフィオナに自然にキスをしているのだ。
執務室にいる3人は気が気では無かった。
「どうするんです?アレが本当に許嫁なら結婚も早いかと、もう、フィオナ様は結婚出来る年齢なのですから。」
フィオナに愛を送った2人は頭を抱えた。
魔女に何故許嫁などいるのかと、ツッコミもしたくなった。
「絶対に阻止だ…」
陛下がポツリと呟いた。
陛下の呟きにイオンとテルは同意…と顔を縦に振っている。
『殺る…?』
3人の黒いオーラとフフフフフッと言う笑い声が執務室に漂った。
執務室の3人はどう邪魔するのか…




