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第36話:怪僧天海
「織田さま、最近あなたの格好が怪しすぎますよ。その怪しい坊主頭といい、ド派手な袈裟といい……正体を隠す気があるのですか?」
家康はもはや坊主頭が板につき、堂々と僧のフリをする信長に怯えていた。信長は、家康の鼻をグイと掴みニヤリと笑った。
「家康、今日からわしを南光坊天海と呼んでちょう。信長は本能寺で死んだが天海は、この世を裏から操る魔王として今ここでおぎゃあと生まれたんだがや!」
「天海……? 急に何を言い出すのですか。そんな怪しい坊主、誰も信じませんよ!」
「バレるかバレんかはどっちゃでもええ。おみゃあがわしを生き仏として崇め奉る芝居をすれば、世間は勝手にひれ伏す。わしは今日から魔王じゃにゃあて神様なんだわ!」
信長……いや、天海を名乗る男は、家康の頭をポカポカ叩きながら高笑いした。
「家康、おみゃあが死んだ後の墓場になる東照宮の設計も俺がやっといてやるわ。千年経っても俺の手のひらから逃げられんようにしてやるでな!」
家康は、ついに信長が神になると言い出したことに深い溜息をつくしかなかった。




