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煌彩  作者: ヒラ
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33/34

33話

それから数日後、学校も始まりいつも通りの日常が続いていた。

 ラーメン屋に行って以降、彼との距離が縮まったと感じたのはあの日だけだった。もどかしい気持ちになった私は最近見ていたアニメが映画化するとの情報をニュースアプリで見つけていたから誘おうと思い声をかけた。

「この前のラーメン屋美味しかったね」

 もう三度目くらいになるだろうか。声をかけるタイミングを掴めない時、同じことをした共通の話題がこれしかなく、最近は同じ話題での話し掛けしかできてない気がする。

そんな何度も同じ話題から入る私に対し、彼はまっすぐな笑顔で返してくれるのだからすごく助かる。彼の方から、「次はご飯の前に遊び行くのも楽しそうですよね」と提案されたので私は今か今かと誘う機会を待っていたので映画に行きたいと誘った。

 自分から誘うのは少し勇気が必要で彼が初めて誘ってくれた時も緊張してたのかなと思った。行きたい映画を彼に教えるとなんだか意外な顔持ちになっていた。どうやらあまり見ない系統のアニメだったらしい。それと私はホラーとかファンタジー系統が好きそうというなんの根拠もないイメージが出来ていたらしくそれも意外だったと言われた。

 私は普通の女の子たちが見るような恋愛アニメが同じように好きだしホラーなんてもってのほかだ。もっと言うならほのぼのした感情になれればそれでよかった。

 私が勧めた映画は、学生の恋愛物語で日々の日常をほのぼのとした雰囲気で進めていってくれるもので一番好きなジャンルだった。ただ、恋愛という恋愛に触れてこなかった私にとってこの映画を一人で見に行く気にはなれず、友達と、いや、あわよくば男の人と見に行きたかった。そんなことを考えても男の人で頭の中に出てくる候補なんてバイトの彼しかいなかった。彼は思いの外すんなり提案に乗ってくれたので映画に一緒に行けることになった。正直、かなり嬉しかった。


 映画館に行く日彼はなんだか張り切っていた。合流して早々に行く前から予習してきたんだと言われなんだか可愛かった。券を早めに購入したはいいものの時間が想像以上に余っていた為、私達は近くの喫茶店で時間を潰した。そこでの一時間は本当に早くて店を出る時、私は不思議な感覚だった。

 映画は原作通りに日常を青春シーンを挟みながら流れ続けている。見ている途中、彼はなかなか姿勢が定まらないのかソワソワしていて面白かった。映画も終わり感想会を開きたかった私たちは本日二度目の喫茶店に来た。店員も一回目の時と同じ人で少し恥ずかしさがあったが近くに喫茶店がここしかなかったため、仕方ないよなと言い聞かせ気づいていないフリをして奥の二人席に腰を下ろす。席に着くなり私たちは飲み物に手をつけることなく盛り上がった。特に好きなシーンを共有し合った時、彼は私の一番ドキドキしたシーンを言っていて、話している彼の楽しそうな顔を見た時なぜか私の心臓の音が聞こえたような気がした。

 一向に水位を落とさずそれを片目に入れつつ盛り上がっていた私たちも学校の話やバイトの話と映画の話からは脱線してる頃にはグラスの量もそれなりの速度で減りだし無くなっていた。時間を確認した頃にちょうど三時間が経っていたので私達店を出た。

そんな彼との二回目のデートも楽しい空気で終わりを迎えた。

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