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煌彩  作者: ヒラ
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34/34

34話

 あの日から何事もなく、彼と映画を見に行ってから早くも一ヶ月近くが経っていた。

学校とバイトの往復生活で確かに付き合ってもいない私たちが遊ぶ理由なんてどこにもなかった。もっと簡単に考えられればいいのだが、男の子としっかり関わるのが初めての私にとって気軽に誘う距離感を考えることはとても難しかった。かと言って遊びに行った時は楽しかったからまた行きたい気持ちがあるのも本心なのだから尚更難しい。

 一応映画デートに行って以降はバイト終わりに何処か遊びに誘われても行けるように軽いメイクと香水を振りかけるようになったがここまで誘われないと少しだけ頑張っている私が馬鹿々々しく感じてきた。

 結局痺れを切らして私は「優弥ー今度バイト上がったらご飯でも行かない?」と誘った。 私の提案に彼は待ってましたと言わんばかりの満遍の笑みで「僕もそろそろ誘うと思ってたんですよ」と言ってきて安心した。

 

 あれから一週間後の今日、今日が彼とご飯に行く日。バイトに着くなり今日の彼は髪にワックスを付けていて、いつもよりカッコよかった。いつもとは違う雰囲気。もう一つ、いつもとは違って今日の彼は調子が良くないのか、全然話さないし元気がないように見えた。

 体調を気にしつつ彼が選んでくれた中華屋に私たちは向かった。向かう道中、彼はいつも楽しそうに話に乗ってくれるがやっぱり今日はなんだか違う。

それに釣られて私も元気な勢いがなくなっていく。横目で確認した二度目の欠伸で私は思わず聞いてしまった。

「優弥くん眠い?今日忙しかったもんね」

 そう聞いた瞬間彼は食い気味に今日のご飯行くのが楽しみで寝れなかったと言っていた。

 必死に誤魔化そうとする彼が面白くて思わず私は笑ってしまった。

 私の笑った顔を見た瞬間彼は言ってきた。

「好きです」



 ???

 感情の理解に追いつけなかった。

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