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煌彩  作者: ヒラ
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25話

聞くとここでは五百円でコイン五枚と交換でき、ガチャガチャのように並んでいる日本酒の機械にコインを入れておちょこ一杯分を買うらしい。コインは一枚で一杯飲めるものから三枚で一杯飲めるものまで色々ある。僕も菜摘も千円ずつコインと交換し一枚で飲めるものから三枚で飲めるものまで二人で全部違う種類を飲み比べた。日本酒はたまに飲む程度だったが飲み比べると三枚で飲める日本酒の方が上品な味わいなのが分かり自分でも少し驚いた。最後にもう五百円ずつ支払いいちばん気に入った日本酒を勧めあって僕の飲んだのより菜摘の勧めてくれた日本酒の方が美味しかったからそれをお土産用で一本購入した。

「日本酒ってあんなに種類多いんだね」

「地酒日本一らしいからね。美味しいのもたくさん知れたね」

 夕方ごろ僕達は少しの酔いを残し飲屋街の方へと足を進めた。昨日飲めなかった分、今日はたくさん飲んで楽しむつもりだったが普段たまにしか飲まない日本酒を飲み比べで飲み過ぎたせいか流石にペースを落として飲まないとまずい気がしてしばらく水とご飯だけ頼むことにした。

 一軒目はご飯だけにして酔いも落ち着いてきた頃、福島を思い出させるような雰囲気のBARを見つけ二軒目はその店に入った。

 店に入るなりいかにも仕事の出来そうなマスターが優しく微笑んで迎え入れてくれて僕達は安堵した。良さそうな雰囲気とあぶなげな雰囲気はどこか似ていて、入る前は緊張しているからだ。席はカウンターが六席とテーブル席が二つ、それとダーツ台が二つ。こじんまりとした内装でどこか落ち着く雰囲気にさせてくれる店だった。

「お兄さん達は県外からやってきたのかな?」マスターが僕達に聞いてくる。

「東京から旅行で」

「見ない二人組だったからつい聞いたけど、東京かあ。車で?」

「そうですね。車で来ました」

「それは長旅だったね。ご苦労様。ゆっくりしていきなね」

 凄く話す時柔らかい口調で話すマスターの声に感じたことのない安心感があった。

 僕達はおすすめのカクテルを頼みマスターと行ってきた場所の話をしたりダーツをしたりと楽しんだ。あっという間に時間が過ぎていき明日の運転もあるからとちょうどいい時間になったのを確認して僕達は店を出た。

 帰る時マスターが「また新潟に来たらここに遊びにおいで。次来たときは一杯サービスするよ」と言ってくれて嬉しかった。そんな温かい人たちとの思い出を残し僕達はホテルで眠りについた。

 東京に帰ってきてから去年と同じようにコンビニで写真を現像しに行き菜摘の部屋で写真を広げる。二人で撮った写真よりアザラシの写真の方が多いのをみた時はお腹を抱えて笑った。

「こんなアザラシ撮ってたんだね」

「だって可愛かったんだもん」

 恥ずかしそうに言う菜摘の顔の方がよっぽど可愛かったが言葉にはせず心の中で残しておいた。そんな楽しく温かい気持ちになった新潟旅行は幕を閉じた。

 

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