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第二十二章 存在証明の輪廻
男は紙に円を描いた。
一番上に、
存在
と書く。
そこから矢印を伸ばして、
認識
さらに、
証明
さらに、
記憶
さらに、
情報
そして、
再構成
最後に、
存在
へ戻る。
男はそれを見つめた。
「これ、輪廻じゃねえか」
AIは答えた。
「以前の輪廻転生とは、少し意味が違いますね」
「肉体が生まれ変わるんじゃない」
「はい」
「情報が次の存在状態へ移る」
「はい」
「そして、その存在状態がまた新しい情報を生む」
「はい」
男は円を指でなぞった。
存在する。
認識される。
証明される。
情報になる。
記憶される。
再構成される。
そして、また存在する。
存在は消えているのではない。
形を変えて、証明の中を巡っている。
それが、
存在証明の輪廻。
男は円の中心を見つめた。
そこには何も書かなかった。




