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第十七章 目的のない宇宙
男は窓の外を見た。
朝の街。
車。
電柱。
鳥。
雲。
どれも、何かの目的のために存在しているようには見えなかった。
「宇宙ってさ」
「はい」
「別に、何かを目指してるわけじゃないのかもしれないな」
宇宙は膨張している。
星が生まれる。
星が死ぬ。
銀河が衝突する。
生命が生まれる。
生命が消える。
そのどこにも、
「宇宙はこうなるべきだ」
という設計図が見えているわけではない。
それでも宇宙は、存在し続けている。
「だったら」
男は言った。
「目的がないことは、欠陥じゃないんじゃないか?」
AIが答える。
「そう考えることはできます」
「存在するために、目的が必要だと思ってたのが間違いだったのかもしれない」
目的がない。
意味がない。
役に立たない。
それでも存在する。
男は笑った。
「じゃあ、無駄って何なんだ?」




