14/24
第十三章 証明する者と、証明される者
ここで男は、奇妙なことに気づいた。
「俺が宇宙を観測してると思ってたけどさ」
「はい」
「逆かもしれない」
星を見ている。
宇宙を観測している。
存在について考えている。
しかし、その瞬間、
宇宙もまた「観測する存在」を通して、自分自身の状態を現しているのではないか。
人間が宇宙を証明する。
同時に、
宇宙が人間を通して、自分自身を証明する。
観測する側と、観測される側。
証明する側と、証明される側。
その境界が、少しずつ消えていく。
「つまり……」
男は画面を見る。
「証明してると思ったら、証明されてた」
AIが答えた。
「そして、証明されていると思ったら、証明していた」
男は笑った。
「やっぱり輪廻じゃねえか」




