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第十一章 神もまた証明を必要とする

「じゃあ神は?」

男は聞いた。

「神がいるとしてさ」

「はい」

「神は、自分が神であることを証明する必要があるんじゃないか?」

もし神が、

「私は神である」

と言っただけなら、それは神自身による主張に過ぎない。

神が宇宙を創造したとしても、宇宙が存在している以上、その宇宙そのものが神の存在を示すことになる。

星。

生命。

意識。

そして、神について考える人間。

それらすべてが、神の存在を示すものになり得る。

だが――

男はそこで立ち止まった。

「じゃあ、神が存在するためには、宇宙が存在し続けなきゃいけない」

「そう解釈することもできます」

「ってことは……」

男はゆっくり言った。

「神は、宇宙によって自分を証明しているんじゃないか?」

神が宇宙を作った。

しかし同時に、

宇宙が神の存在を証明している。

原因と結果が、いつの間にか入れ替わっていた。

さらに考える。

もし神が「存在そのものの根源」なら。

神自身もまた、「存在している」ということによってしか、自分自身を証明できないのではないか。

神でさえ、存在証明の輪から逃れることはできない。

男は笑った。

「神様も大変だな」

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